
2024年の「機能的識字・教育およびマスメディア調査(以下FLEMMS)」の結果によると、ダバオ地方では地域ごとに識字率に差が見られ、ダバオ市が基礎識字率および機能的識字率の両面で首位となった一方、ダバオ・オクシデンタル州は大きく後れを取っていることが明らかとなった。
この地域別データは、2025年5月28日にアカシアホテルで開催された関係者協議会において、フィリピン統計庁(以下PSA)ダバオ支部によって発表された。ダバオ市の基礎識字率は93.5%で、全国平均の90%を上回り、地域内で最も高い水準となっている。一方、ダバオ・オクシデンタル州はわずか74.2%にとどまり、教育へのアクセスおよび教育の質に対する懸念が同州で高まっている。
「基礎識字」とは、5歳以上の者が簡単な文章を理解し読み書きできる能力、ならびに基本的な計算能力を指す。ダバオ市に次いで高い水準を記録したのはダバオ・デ・オロ州(91.3%)であり、その他、ダバオ・デル・スル州(90.2%)、ダバオ・デル・ノルテ州(88.9%)、ダバオ・オリエンタル州(88.2%)がいずれも全国平均に近い水準である。
機能的識字率(読み書きや計算に加え、情報を理解・分析する能力)においては、地域間で一層顕著な格差が見られた。
10歳から64歳の個人を対象とした調査では、ダバオ市が69.6%を記録し、ダバオ地方内で最も高い水準となった。一方、ダバオ・オクシデンタル州は46.6%にとどまり、深刻な状況が浮き彫りとなっている。
他の州の結果は中程度であり、ダバオ・デル・ノルテ州は69%、ダバオ・オリエンタル州は67.6%、ダバオ・デル・スル州は64.9%、ダバオ・デ・オロ州は65.9%であった。
全国レベルでは、FLEMMSの結果によると、5歳以上の国民の約9割が基礎的な識字能力を有しており、これは約9,307万人に相当する。基礎識字率は女性が91.1%とやや高く、男性は89.4%であった。
一方、全国の機能的識字率はこれを大きく下回り、10歳から64歳のうち基準を満たす者は66.3%にとどまっている。性別で見ると、女性は70.3%で、男性の63.2%を上回っている。
PSAは、2024年のFLEMMSにおいて、識字率を測定する方法論および定義が改訂され、PSA理事会決議第13号(2024年)で承認されたことを強調した。
従来の調査とは異なり、新たな枠組みでは、高校などの正式な教育課程を修了しただけで機能的識字があるとはみなされない。代わりに、複数の情報を統合し推論する能力を含む理解力および分析力が評価に加えられている。
最近行われた上院のFLEMMS結果に関する公聴会で、衝撃的な数字が明らかとなった。上院基礎教育委員会の委員長であるシャーウィン・ガチャリアン上院議員は、約580万人のフィリピン人が基礎的な識字力を欠き、約2,480万人が機能的識字に困難を抱えていると述べた。これらの多くは基礎教育課程を修了している者であるという。
「正式な教育資格を有しながらも機能的識字が困難とされるフィリピン人は約1,800万人に上る」とガチャリアン議員は述べた。同議員はPSAの改訂された定義を支持し、これにより国の識字問題の実態をより正確に把握できると強調した。
FLEMMSは3年ごとに実施される調査であり、教育政策の策定やプログラム開発の基盤となっている。なお、この調査は全国規模で、PSAによって5年ごとに実施されている。
国内で最も包括的な識字力評価の一つであるFLEMMSは、読み書き能力に加え、理解力や批判的思考力など、フィリピン人が受ける教育の質を反映する重要なデータを提供している。