2024年1月17日、ダバオ東部のハミギタン山地野生生物保護区(MHRWS)で希少な長角甲虫Paraskeletodes hamiguitanensisが発見されたと、環境天然資源省(以下DENR)が発表した。ユネスコの世界遺産であるハミギタン山脈にちなんで命名されたこの甲虫は、ダバオ東部州政府が主導した科学探検で発見された。
ダバオオリエンタル州立大学のチームによるこの探検は、2023年6月10日にメス型の標本を発見した。ミルトン・メディナ博士は、入念な形態学的調査により、フィリピンに生息するハミギタネンシスの独自性を確認し、インドネシア・スラウェシ島に生息する近縁種のハミギタネンシスとの比較では、前胸背板、前脚、側翅に明確な違いが見られた。
この発見は、フィリピンにおける甲虫分類学の知識が限られていることを浮き彫りにするもので、メディナ博士は分類学への資金不足を指摘している。また探検隊の不足も、徹底的な説明がなされる前に種が消滅することにつながる。メディナ氏は、若い研究者たちに甲虫分類学の研究を奨励し、パートナーシップや共同研究に対してオープンであることを強調した。
また、オンライン・プラットフォームを利用した地元コレクターによるカブトムシ種の世界的な取引や、フィリピンにおける森林被覆の急速な減少が懸念され、緊急性を増している。DENRは、ハミギタン山のような保護地域が、生物多様性にとって不可欠な聖域として重要な役割を果たしていることを強調した。専門家は、この地域には未発見の種が多数存在すると考えているため、生物多様性の保護により力を入れるべきである。
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