シンシア・ビラール上院議員は、「フィリピンのツナキャピタル」であるジェネラルサントス市で先日開催された第23回全国マグロ会議において、欧州連合(以下EU)の一般特恵税制度(以下GSP+)を称賛した。
低所得国及び低位中所得国向けの特別優遇措置であるGSP+の下、フィリピンは昨年、29億3,000万ユーロ(1,780億ペソ)相当の製品をEUに輸出した。9月2日、2日間にわたる全国マグロ会議の閉会式で講演を行ったビラール氏は、フィリピンがGSP+制度を利用できるようになったのは、2015年に自身が執筆した共和国法第10654号(1998年フィリピン漁業法改正)の影響であると述べた。
共和国法第10654号は、違法・無報告・無規制(以下IUU)漁業の概念を規定し、違反を抑止するため、より厳しい罰則を定めたほか、船舶監視システム(以下VMS)。「IUU漁業を防止するための船舶監視システムの設置は、GSP+制度を利用するためのEUの要件だった」とビラール氏は9月6日に発表された声明の中で述べた。
この制度により、フィリピンは6,274品目(EUの全関税品目の66%)を関税ゼロで輸出することができる。現在のGSP+は2023年末まで有効だが、欧州委員会(以下EC)は7月、フィリピンのGSP+をさらに4年間延ばし、期限を2027年末までとすることを提案していた。
アルフレド・パスクアル貿易産業大臣は、このECの提案を歓迎した。「GSP+の延長により、フィリピンはEUとの貿易関係を強化する絶好の機会を得た。我々はこの機会を捉え、輸出業者と我が国全体の経済発展のために利益を最大化するよう努力する」と当時の声明でパスクアル大臣は述べた。
ビラール議員は、海の資源は無限にあるわけではなく、それゆえに保護され、維持されるべきであると強調した。「世界への変化に対応する戦略への適応」をテーマとする今回の全国マグロ会議では、フィリピンのマグロ産業が直面する差し迫った世界的な課題に対処し持続可能な漁業を推進するため、専門家や関係者が一堂に会した。
フィリピンは、アジアではインドネシアに次いで2番目のマグロ輸出国であるという。フィリピン産のマグロの缶製品は、米国、ドイツ、英国、日本、オランダなどに輸出されている。また、新鮮な大型マグロも米国と日本向けに輸出されている。
フィリピンのツナキャピタルであり、国内各地との交通も回復しつつあるジェネラルサントス。漁業には欠かせない港も、来年までに拡大する計画が進んでいる。来年以降の漁業の成長に期待したい。