【News】マルコス政権1年目の麻薬関連死は342件、前年の302件を上回る

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フェルディナンド・マルコス大統領(愛称:ボンボン)の就任1年目の麻薬関連死の件数は、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の大統領任期最後の1年間よりも多かったことを、独立監視機関が発表した。この発表は、マルコス大統領が約束した「包括的で権利に基づいた」麻薬戦争へのアプローチに異議を唱えるものである。

7月第3週末、フィリピン大学第三世界研究センター(以下UP TWSC)は、マルコス政権に関する最初の報告書「ダハス」プロジェクトを発表した。これは、メディアの麻薬戦争に関連した記録を残すもので、7月24日の施政方針演説(SONA)に間に合わせる形で発表された。

「マルコス政権の開始時、人々は、マルコス政権とドゥテルテ政権では、麻薬戦争はどのように違うのかと尋ねた。マルコス政権1年目の342人の麻薬関連死が、「あまり変わらない」という答えを示している」と報告書は述べている。

UP TWSCは現在、国際刑事裁判所が調査する、麻薬戦争下で続く殺害を監視する方法として、2021年にこのプロジェクトを開始した。2022年7月1日から2023年6月1日までのモニタリングによると、マルコス政権下で殺害された人数は342人であった。一方、ドゥテルテ政権最後1年では302人が殺害された。

特筆すべきは、マルコス政権初年度の「死体遺棄」の件数が、前年と比較して2倍にものぼったことである。ドゥテルテ政権下では13件だったが、マルコス政権下で人里離れた場所や路上に遺棄された事件の件数は26件であった。

また、ダバオデルスル州が殺人事件のホットスポットとして「突如出現」し、毎週1人が殺害されていることを同チームは指摘した。ドゥテルテ政権最後の年では1件のみだったのに対し、マルコス政権下では53人に急増し、死亡者全体の15%を占めているという。

この数字は、ドゥテルテ前大統領の麻薬戦争継続という願いを叶えているように見える、と調査チームは語る。同時に、マルコス大統領の「より公平なアプローチに軸足を移す」という発言に反する結果でもあった。

人道的な観点から国際的な批判を浴びたドゥテル前大統領の麻薬戦争。マルコス政権下では一見以前ほどの激しさは指摘されてこなかった。しかし、実際には前政権の最後の年以上にこのような事件が頻発しているようだ。SONA(所信表明演説)に合わせて北京で会談を行った前大統領、そして今も続く麻薬戦争に、引き続き関心を寄せていきたい。

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