こんにちはダバオッチ編集部のツキです。皆さま年末年始はいかがお過ごしでしたか?私はダバオ市から車で2時間ほどのダバオオリエンタル州で年越しを迎えておりました。さて、その滞在中に世界自然遺産「ハミギタン山(Mt. Hamiguitan)」に登ってきたので、今回はその時のお話です。準備編と登山編に分けて情報をお届けします!
「ハミギタン山(Mt. Hamiguitan)」は、ダバオオリエンタル州にある標高1637mの山です。1300種類以上の動植物、300種類以上のフィリピン固有種、ハミギタン山でしか見られない固有種が8種類暮らしていて、その豊かな生態系が評価され2014年には世界自然遺産に登録されています。公式で推奨されているコースは2泊3日ですが、私は1泊2日で行ってまいりました。個人的には十分楽しめるプランでしたよ〜!
【概要】
- 正式名称:ハミギタン山岳地域野生動物保護区(Mount Hamiguitan Range Wildlife Sanctuary)
- 標高:1637m
- 世界自然遺産登録年:2014年
- 公式Facebookページ:Mount Hamiguitan Range Wildlife Sanctuary
登山前の手続き
世界自然遺産に登録されているので簡単に行けるものかと思いきゃ、保護区に入るのにいくつか書類を提出する必要がありそれがとても大変… 余裕を持って準備することをおすすめします。書類手続きは「Protected Area Superintendent’s Office」にて行えます。
Protected Area Superintendent’s Office
【提出する書類一覧】
- トレッキング申込用紙(Trek Application Form):Trekking-Application-Form-PAMO-MHRWS
- ウェイバー(Waiver):Waiver_MHRWS-Trekking-and-Mountaineering_2022 (2)
- 健康状態の自己申請用紙(Arrival Health Declaration Form):Arrival Health Declaration Form_PAMO-MHRWS
- 政府発行のIDコピー2つ(Two Goverment Issued IDs):私はパスポートと学生証コピーを提出しました。必ずしも政府発行でなくても大丈夫そうです。
- 登山前の健康証明書(Pre-Climb Medical Certificate):こちらが厄介で取得に約丸1日かかりました。保健所で健康診断を受けるための許可証を貰ってから、ラボで健康診断を受け、もう一度保健所に戻り証明書を発行してもらいます。なんという手間(笑)
- 英文ワクチン接種証明書(Vaccination Card)
- 過去の登山歴の証明書(Certificate from previous climb experience):任意提出
- トレッキングIDに添付するための証明写真(ID Photos (2’’ x 2’’) to be attached to the Trekking IDs):任意提出
- ダバオオリエンタルQRコード(Davao Oriental QR Code):こちらはダバオオリエンタルの居住者のみ提出が必要です。
フィリピンで大変なことの一つに「書類手続き」があります。なぜかというとフィリピンには「セクショナリズム/Sectionalism」が根付いており、書類手続きのためにある場所に赴いても、たらい回しにされることがしばしばあるからです(笑)日本のように役所で一括で書類手続きを行える訳ではないのです。フィリピン、特にダバオオリエンタルのようにゆったりと時間が流れている田舎地域では、不便さも楽しめる心持ちがとても重要!日本でいかに生き急いでいたかを実感できます(笑)リアルRPGをプレイしているような気持ちでコツコツとクエストをクリアしていく過程も楽しみましょう!!
装備の準備
ポイントは「夜は意外と寒い」「雨はほぼ確定で降る」を踏まえて装備を用意することです。
【必需品】
- 大きめのリュック:私は26Lリュックで行きました。
- 寝袋/ブランケット:私はブランケットを持参しましたが、夜は思いの外寒いので寝袋持参を推奨します。拠点のコテージにアルミのマットは用意されていました。
- スナック菓子・非常食
- 水筒(最低でも1リットル):私は2リットル持っていきましたが、給水ポイントが意外と沢山あったので1リットルで足りると思います。
- ヘッドランプと電池:山頂で日の出を見るため2日目は未明から登り始めるので必須です。道も滑りやすいのでできれば手が塞がってしまう懐中電灯ではなくヘッドランプを持参しましょう。
- レインコート:山の天気、とりわけ熱帯気候のハミギタン山は天気がコロコロ変わります。防寒具にもなるのでできれば持参しましょう。
- 洗面用具:拠点にはなんとシャワーがあります。
- 衣服
- 薄手のジャケット
- 薬
- 筆記用具
- ビニール袋
- 身分証明書
- トイレットペーパー
- 食器
【推奨品】
- テント:拠点にコテージがあるので寝袋さえあれば事足りると思います。
- 帽子:日差しが強いです。雨よけにもなります。
- 手袋:草負け防止。
- 充電器
- サバイバルナイフ
費用
1泊2日プランでかかった費用を紹介します。実際に登ってみると、山道もわかりやすく登山経験者であれば問題なく個人で登れてしまえそうな山でしたが、ハミギタン登山には雇用創出のためにポーターとガイドを必ず付けなければいけません。これはダバオにあるフィリピン最高峰のアポ山(標高2,954 m)も同じです。通常のポーターであれば1日あたり800ペソ。荷物を持ってもらえることを考えたら安いものです。料理をしてくれるシェフを雇うオプションや、動植物に詳しい教授を付けることも追加オプションで可能ですよー!詳しくは先ほど添付した「公式パンフレット②表」をご覧ください。
食費に関しては自分達で用意すればもう少し抑えられたと思いますが、私は事前に食費を支払い運営側に用意してもらいました。ポーターに関しても通常のポーターであれば1日800ペソで雇えますが、1日1000ペソに課金することでポーター兼シェフに格上げできます(笑)!登山飯とは思えないほど豪華で美味しいご飯を用意してもらえるので、事前支払いの食費とシェフ代はケチらなくていいと思います。
2023年1月時点 | 費用 | 備考 |
入山料 | 3000ペソ | |
ガイド | 1600ペソ | 800ペソ/日 |
ポーター兼シェフ | 2000ペソ | 1000ペソ/日(通常ポーターであれば800ペソ/日) |
食費 | 1200ペソ | ガイド、ポーター、同行者を含めた4人の3食(1日目夜、2日目朝・昼)分 |
健康診断費 | 250ペソ | ラボで支払い |
健康証明書発行費用 | 100ペソ | 保健所で支払い |
まとめ
ハミギタン登山準備編は以上です。筆者は準備がギリギリになり運営事務所の方に沢山無理を言ってしまいました。事務所スタッフの方々がとても親切で助かりましたが、通常であれば10日前くらいから準備するよとお咎めを受けてしまいました(笑)皆さんはしっかり余裕を持って登山準備を行いましょう!さて、次回はいよいよ登山編です。乞うご期待!!