日本でワクチン接種をするとなると、医療機関を予約してそこでワクチンを打つことが一般的だと思われる。では、もしその場所が自宅から遠く、そこまで行く手段がない人はどうすればよいだろうか?ワクチン接種率を上げるためには、このような人もワクチン接種会場にアクセスできるようにすることが求められる。
ダバオ市では、第19回ダバオ市議会で決まったワクチンの「出張接種」が活躍している。各バランガイが主導してワクチンを接種する担当者などを雇用し、管轄バランガイにある体育館やホールなどを接種会場にして、ダバオ市が定めた接種会場に行くことができない人もワクチンを打てるようにする取り組みだ。そして、11月4日までに出張接種会場でワクチン接種を受けたのは73,737名となっている。
出張接種を執り行う副市長オフィスのHarvey Lanticse氏は、「今週末までには75,000名に到達すると予測されています。昨日1日だけでも、5つのバランガイで2,500名がワクチンを接種しました」と、出演したダバオ市災害ラジオで語った。
さらに、10月30日には戸別接種も開始され、登録した36名が無事にワクチン接種を終えている。それぞれ18名が第一地区および第二地区の住民で、病気などにより指定のワクチン接種会場に行くことが難しい人を対象としている。個別接種を希望する人は副市長のオフィスに個人名、健康状態、住所を添えてテキストメッセージを送信すればよい。対象者には副市長のオフィスから問診と日程調整のための連絡が来るようになっている。個別接種の希望者に対し、Lanticse氏は、接種チームが移動に苦労していて時間がかかっているので、連絡があるまで待ってほしいと呼びかけた。
今後の感染拡大に備えるためには、どれだけ多くの市民がワクチンを接種しておくかが鍵となってくる。そして、感染が落ち着いてくればさらに規制解除され、経済活動もさらに活発になることが期待される。