【News】ダバオ市の酸素プラントはすぐに建設に入れない、サラ市長がコメント

SPMC

新型コロナウイルスの感染拡大が続くダバオ地方では、酸素ボンベ不足が懸念されている。ダバオ市役所はこれにともない酸素プラントの建設を計画しているが、サラ市長は「政府からの調達には手続きが必要」だとしてすぐにはおこなえないとコメントした。酸素ボンベをめぐるダバオ市の状況はどのようになっているのだろうか?

9月13日月曜日、ダバオ市長のサラ・ドゥテルテ=カルピオ氏は、感染力の強いデルタ株の影響によりダバオ市で新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進んでいることを受け、ダバオ市に酸素プラントを建設するのだと述べた。現在、酸素ボンベの需要が増えていることを受け、十分な量の酸素を供給することが求められている。このために2,300万ペソが当てられ、うち1,200万ペソが調整器の付いた酸素ボンベ1,000本のために、1,100万ペソが酸素プラント建設のために使われる。また、ダバオ市が運営する酸素プラントは、バランガイMa-aに建設予定だという。

しかし、サラ市長は酸素プラントの建設はすぐにはおこなわれないとコメントした。そして、「政府の手続きに時間がかかり、すでに長い時間がかかっています」と、出演した災害ラジオで語った。そして、サラ市長は、Los Amigos Molecular Labの例を挙げると、すでに1年と2か月の年月が流れていると述べ、「求められる書類や必要な手続きが原因で、長い時間がかかっています」とその実情を話した。このような現状を踏まえ、サラ市長は酸素プラントの完成時期についてはコメントしなかった。

酸素プラントをすぐに作れない状況ではあるものの、サラ市長は、酸素の供給量が足りないことを認めた。そして、「ダバオ市では酸素の供給が不足しています。FDA (Food and Drug Administration)も同様の意見で、酸素を買うのも医者の処方が必要になるかもしれません」とコメントした。さらに、酸素を作り出すための原料が不足しており、このことが供給の遅れにつながっていることもFDAが確認しているという。南フィリピン医療センターやダバオ地方医療センターが酸素の確保に苦戦していることからも、この現状が分かるだろうとサラ市長はコメントした。

9月13日時点で、ダバオ市では33名のデルタ株感染者が発見されている。そして、このまま感染者が増えて、これに比例して酸素の需要が高まっていくことで、ダバオ市やダバオ地方は深刻な酸素不足に陥ってしまうかもしれない。一人ひとりの感染対策がなお一層求められているといえよう。

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