新型コロナウイルスは子どもが感染しても重症化しないという話を耳にする。しかし、8月21日に保健省ダバオ支部は、コロナ禍に入ってから新型コロナウイルス(Covid-19)で亡くなった乳児が20名いたと明らかにした。同省は、妊婦や母乳を与えている母親にワクチンを接種するよう呼び掛けている。
保健省のデータによると、Covid-19に感染した乳児はこれまで423名おり、そのうち20名が亡くなったことが分かっている。致死率は4.7%となり、この数字は年代別に見ると3番目に多いという。もう少し上の年代も見ていくと、0~9才の子どもは6,114名が感染し、23名が死亡(致死率0.4%)となっている。
保健省ダバオ支部で保健教育および普及を担当するYasmin Mandangan氏は、亡くなった子どものなかには疾病を患っている子もいたが、まだダバオ地方の調査部署から正確な情報は出ていないとコメントした。また、家庭内で感染したのかという点にも言及しなかった。
ワクチン接種には、未成年者がまだ含まれていない。これについて、保健省ダバオ支部の保健支援部門長であるRaquel Montejo医師は、母乳を与えている母親にワクチンを接種し、Covid-19ワクチンの抗体を乳児に与えるよう推奨した。同医師によると、Covid-19ワクチンを接種した母親には抗体ができ、母乳を与えることで乳児にも抗体が渡せるかもしれないという。そして、母親がワクチンを接種することで病気に弱いと考えられている赤ちゃんを守ることになると語った。妊婦や母乳を与えている母親のワクチン接種については、フィリピンで感染症を管轄する「The Philippine Infectious Diseases Society for Obstetrics and Gynecology (Pidsog)」も推奨している。
これまでは、高齢者がCovid-19に感染した場合重症化しやすい(致死率:60才以上:14%、50代:5.7%)ということで、高齢者に優先してワクチンを接種してきた。それ故に、フィリピンでも高齢者は医療従事者に続く優先接種の対象(カテゴリーA2)となっていた。しかし、今回示された乳児の死亡率が4.7%というのは衝撃的な数字だったと思う。妊婦や、乳児を育てる母親へのワクチン接種が急がれている。
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