インドにある複数のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)企業が、ダバオ市に移転しようと動き出していることが分かった。インドではデルタ変異株の感染拡大が続いていることが主な理由のようだ。ダバオ市内のBPO産業が盛んになることが期待される一方、新型コロナウイルスの感染対策をどうするかも求められている。
ダバオBPO協会のXavier Eric Manalastas会長は、ダバオ市災害ラジオに出演し、インドでの感染拡大を受け、ダバオ市内のBPO企業が追加のマンパワーを必要としていると語った。Manalastas会長によると、ダバオ市には、少なくとも50のBPO企業があり、45,000~50,000名の社員がいるという。ここにインドの企業も移転してくるとなるとさらにマンパワーが必要になると、同会長は懸念をあらわにした。
さらに、同協会にはダバオに移転するための場所があるのかという連絡が来ているようだ。Manalastas会長は、「ダバオに移転したいという問い合わせをたくさんもらっています。皆さん、コロナ禍の影響で、フィリピンに機能を移転したいのです。BPO産業は成長していくことでしょう」と語った。
しかしながら、ダバオ地方でも少しずつデルタ変異株の感染者が見つかりつつある。また、2021年6月には市内BPO企業で大規模なクラスター感染が発生したことも記憶に新しい。これについて、同会長は、「現在、BPO企業では多様な働き方を推奨しています。全員がオフィスに出勤する必要がないものの、正社員と同じ待遇を期待できます。また、リモートワークもまだ可能です」と語った。
さらに、Covid-19の感染対策ガイドラインを作成し、会社独自で追跡調査チームを設けたり、感染者が見つかった場合は自主的にロックダウンに踏み切ったりしている。このロックダウンでは建物全体を対象とする必要はなく、何階で感染拡大がみられたかを把握し、その階層だけロックダウンするという。
コロナ禍の影響を受ける企業がある一方で、BPO産業に関しては成長の兆しが見られているようだ。