2021年6月25日(金)、フィリピンIT&ビジネスアウトソーシング(BPO)協会は比国内で新型コロナウィルスが流行しているにも関わらず、一定規模の収益を維持している業界の現状から、国内BPO産業の収益規模が2022年において290億ドル(約3兆2,175億円)程度見込まれ、さらに16万人の雇用が新たに創出されるという試算を公表した。
同協会の会長はオンラインブリーフィングにおいて、世界中で新型コロナウィルスが蔓延し、様々な国内外の企業が収益を減少させた2020年においても、フィリピン国内のBPO業界は堅実に成長し続け、同国の貴重な外貨獲得手段として重要な役割を担ってきたと述べた。
同氏によると、2020年のフィリピン国内におけるBPO業界全体の収益は267億ドル(約2兆9600億円)を記録し、直接雇用人数は132万人であったという。また、多くの企業がコロナ禍で人員削減や整理を実施する中でも、BPO業界全体では23,000人が新たに雇用されたということだ。
BPO業界全体の成長については、フィリピン国内で政府による厳しい隔離措置、移動制限が課せられる中、いち早く業界全体で在宅勤務への取り組みを導入したことやマニラ首都圏だけではなく、全体の27%(約35万人)が地方都市に拠点を置いている分散型であったことがリスクを回避できた結果だとしている。
また、今後の業界見通しについては、各BPO企業は従業員が在宅勤務をするための無線機やインターネット回線、作業用のパソコンなどに多額の投資をしており、在宅勤務であっても生産性が下がったというデータもないため、今後も基本的にオフィス勤務と在宅勤務のハイブリッド型が主流になるであろうと述べている。