ダバオ市ではコロナ禍に入ってから公共交通機関を使う人が減り、自転車を使う人が増えた。それに伴い、新しい自転車に関するルールが浸透していないという課題も見られる。ダバオ市は、市内自転車レーンの駐車問題を解決するため、これまでに100名以上を逮捕したと述べた。
都市交通管理局(CTTMO)のDionisio Abude所長は、2021年5月に開始された自転車レーンの妨害もしくは違法駐車をした人をこれまでに156名逮捕したと発表した。6月12~19日の間では45名が逮捕されているという。Abude所長は「いくつかの場所で継続して監視したことで、自転車レーンに違法駐車したり妨害したりする人を捕まえることができました」と語った。また、逮捕された人は500ペソの罰金が課せられ、交通標識無視の罰則も課せられることになるという。これまでの逮捕が、市内のドライバーへの警鐘となることを同所は望んでいる。
第19回ダバオ市議会では、現在自転車に関する条例を改正しているところだ。改正案が成立すると、少なくとも1,000ペソの罰金が課されることになる。Abude所長は、すぐにでも改正された条例が制定され、市内自転車レーンでさらに適用されてほしいと述べている。
自転車レーンは現在も増設に向けて動いている。ダバオ市役所とフィリピン公共事業道路省(DPWH)ダバオ地方は、市内のCarlos P. Gracia高速道路(迂回路)、Davao-Bukidnon高速道路、Matina Aplaya -Ecoland自動車道、C. Bangoy 通り、Ecowest自動車道、Tulip自動車道に自転車レーンの下地となる線を描き始めたという。
Abude所長は、自転車に乗る人たちにも警鐘を鳴らし、プロテクターを装着することや、レーンを超えて走行しないことを常に心がけて過ごしてほしいと語った。また、「私たちは捕まえることしかしない訳ではないです。ドライバーへの教育もしたいのです。乗客の乗降を除いては、(自転車レーンへの)駐車や邪魔はできないのです」とも語った。
ダバオ市長のサラ・ドゥテルテ=カルピオ氏は、市長令40「自転車の登録および登録料を一時廃止し、ダバオ市の自転車レーン利用を可能にする命令」にサインし、2020年6月19日に一般に公布されている。この市長令が出てからほぼ1年が経過し、ダバオ市では確実に自転車の利用が増加している。また、コロナ禍明けには自転車ツアーの計画案も挙がっている。これから「自転車」というツールで、あらたな観光の盛り上がりが期待される。