【News】ダバオ・バス・プロジェクトに若者団体が反発ー「偽物で反人民的」と批判

ダバオ市バス

進歩的な若者団体が、ダバオ市公共交通近代化計画の核心である「ダバオ・バス・プロジェクト(以下DBP)」を「偽りの反人民的政策である」と批判した。

「アナクバヤン(若者たち)南ミンダナオ支部(以下アナクバヤン)」は、11月24日にフリーダムパークで抗議行動を開催し、DBPについて、「偽物で反人民的だ」と強く批判し、ジープニーの段階的廃止と近代型バスへの移行計画に反対の姿勢を示した。

アナクバヤンのファウジア・グイアニ議長は、「DBPの実施は市民に大きな負担を強いるものであり、運転手や通勤者に重くのしかかる」と指摘した。

グイアニ氏によれば、この計画により7,000人以上の公共交通機関運転手が影響を受け、運賃が35ペソに値上げされる可能性があるため、彼らの生計を脅かしかねないという。

ダバオ市には今年10月、計画の実施前段階として中国から輸入された新型バス10台が到着した。当初は11月中旬からラッシュアワー時の無料運行を開始する予定だったが、現時点で運行は始まっていない。

グイアニ氏はこの試験運行を「市民の受け入れを誘導するための洗脳だ」と非難した。また、「1台1,000万ペソものバス費用は、市民の基本的な生活支援に充てるべきだ。特に、アジア開発銀行(以下ADB:Asian Development Bank)からの540億ペソの融資は、市民の負担になる」と述べ、事業費の妥当性にも疑問を呈した。

グイアニ氏は、DBPが市の交通問題の根本的解決にはならないと主張し、代わりに既存の公共交通機関の修繕や5年間の営業権有効期間の復活を求めた。

アナクバヤンは近代化を支持するが、企業や特権階級に有利なプロジェクトは支持しないとグイアニ氏は明言した。なおダバオ市政府は同団体の批判に対して、現時点で公式な回答を出していない。

2026年度の資金は大幅不足ー事業は継続

一方、ダバオ市行政補佐官兼DBPプロジェクト責任者のドワイト・ドミンゴ弁護士は、2026年度の資金が要求額を大幅に下回っていると述べた。同プロジェクトは、140億ペソから170億ペソを要請していたが、議会に提出された予算案に盛り込まれたのはわずか20億ペソであった。

ドミンゴ氏は、10月27日のダバオ市防災ラジオ(DCDR)のインタビューで「予算管理省(DBM:Department of Budget and Management)から議会に送られた予算案は20億ペソにも満たなかった」と述べている。

ただし、DBPの予算枠自体は維持されており、議会が追加資金を承認する可能性は残されているという。

運輸省(DOTr:Department of Transportation)も事業の継続を確認しており、用地取得は進行中で、運行開始は2027年を目指すとしている。

総事業費760億ペソー大規模なバスネットワーク整備

DBPは総額760億ペソの大規模事業で、全長672キロに及ぶ統合バスネットワークの構築を目指す。計画には、

  • 車庫5か所
  • 主要ターミナル3か所
  • 運転手訓練アカデミー
  • 1,074か所の停留所整備
  • 電気バス380台、ユーロ5仕様ディーゼルバス720台の導入
  • 自動運賃収受システムや交通管理のデジタル技術の導入
    などが含まれる。

資金はADB、国家政府、ダバオ市政府(約200億ペソ負担)が共同で拠出する。
当初は2024年末に部分運行、2025年に全面稼働を予定していたが、用地取得の遅れやパンデミック後の調整により、開始時期は2027年へと延期された。

【News】2026年に開始予定のダバオバスプロジェクト、障がい者が利用可能なバスを求める

【News】陸上交通許認可規制委員会にジプニーやバスなどの運賃値上げの要求続く

【News】ダバオの情報ポータルサイト「ダバオッチ」でサポーター募集開始!

c94f801b2b7c09c2a0f879e7150e1347-300x131.png

ビザ・レンタカー・通訳・翻訳なら | ダバオの日系旅行会社