【News】ダバオ・デ・オロ州が高齢者向け居住型介護施設を新設ー自然の中で穏やかな生活を

アポ山

ダバオ・デ・オロ州の高齢者が、適切な支援とケア、そして尊厳をもって生活できる場として、新たな高齢者施設がモンカヨ町パシアン村に建設されることとなった。

ラウル・マバングロ州知事は、11月27日、自然豊かで静かな環境が評価されて建設地に選ばれたパシアンのラムダグ・ファームを自ら視察した。

マバングロ知事は、「このプロジェクトは、高齢者を大切にしたいという思いから最優先で進めています。ラムダグ・ファームを選んだのは、自然に囲まれ、静かで落ち着いた場所だからです」と述べた。

州社会福祉開発局(PSWDO)および社会福祉開発省ダバオ地方事務所(以下DSWD-Davao)の職員も視察に参加し、計画中の施設が福祉基準を満たすよう確認を行った。

計画されている高齢者施設は、家族の支援を受けられない高齢者や、専門的な介護を必要とする高齢者にとって、安全で温かい生活の場となることが期待されている。完成後は州政府が運営を担い、健康管理、日常生活支援、情緒面のケア、コミュニティ参加などに重点を置いたプログラムが提供される予定である。

施設の建設は可能な限り早期の着工が目指されており、高齢者向けサービスの需要が高まる中、その必要性は極めて高いと州政府は強調している。

このプロジェクトは、ダバオ・デ・オロ州が進める、社会的弱者の保護を強化し、尊厳ある生活環境を提供するための包括的な取り組みの一環である。

計画の進展に伴い、州政府は、この高齢者施設が単なる居住施設ではなく、高齢者が快適に、穏やかに、そして尊厳をもって暮らすことのできる真のコミュニティとなることを期待している。

なぜ高齢者施設が重要なのか

高齢者施設(高齢者居住型介護施設とも呼ばれる)は、地域社会において非常に重要な役割を果たす。特に、家族の支援を受けられない高齢者、孤立した高齢者、ホームレス状態にある高齢者などにとって欠かせない存在である。

これらの施設は、単に住まいを提供するだけでなく、医療ケア、栄養支援、心理・社会的ケア、リハビリテーション、レクリエーション、さらに可能な場合には地域社会への再統合支援など、包括的なサービスを提供する。

このような施設は、社会の中で最も弱い立場に置かれることの多い高齢者が、自ら生活を維持することが難しい時期や、家族による継続的な介護を受けられない場合でも、尊厳と安心をもって老後を過ごせることを保障する重要な役割を担っている。

さらに、多くの高齢者が貧困や孤立に直面する社会において、高齢者施設は重要な社会的セーフティネットとして機能する。これらの施設は、家族に過度な負担がかかることを防ぎ、虐待やネグレクトの減少に寄与し、高齢者が基本的な生活ニーズや医療サービスに確実にアクセスできるよう支援する。

ダバオ地方における既存の高齢者施設

現在、ダバオ地方には、政府運営の高齢者ケア施設の数は限られている。DSWD-Davaoの2025年の報告によれば、ダバオ地方ではいくつかのセンターおよび住宅型ケア施設(CRCFs:Centers and Residential Care Facilities)が運営されており、その中にはタギュム市にある「高齢者ホーム」も含まれている。

また、ダバオ市が地方自治体(LGU)によって運営する「Co Su Gian 高齢者ホーム」は、長年にわたり、家族やその他の支援を受けられない高齢者に対して、住まいと介護サービスを提供してきた。

しかし、公的資金で運営される施設が限られているため、住宅型ケア施設を必要とする多くの高齢者が施設を利用できない状況にある。このことは、モンカヨ町パシアン村で計画されている新しい施設の必要性を一層明確に示している。

フィリピンにおける高齢者施設を規定する法律

フィリピンにおける高齢者施設の設置および運営は、以下の国家法に基づいて行われている。

  • フィリピン高齢者センター法(共和国法第7876号:Senior Citizens Center Act of the Philippines

すべての市町村に、高齢者向けのレクリエーション、教育、健康、社会プログラムを提供する「高齢者センター」の設置を義務づけている。

  • 高齢者優遇法(拡大版)2003年(共和国法第9257号:Expanded Senior Citizens Act of 2003

国家による高齢者支援の責任を拡大した法律で、同法では、政府、地方自治体、市民社会に対し、家族から支援を受けられない高齢者や自立生活が困難な高齢者に対して、包括的な社会サービス、医療、住居、住宅型ケア、あるいは代替家族ケア(グループホームや高齢者施設など)の提供を求めている。

これらの法律の下で、「高齢者施設」は、特に社会的に弱い立場にある高齢者にとって、社会福祉上の義務であると同時に保障されるべき権利でもある。

さらに、DSWDのガイドラインによれば、高齢者居住型介護施設は、24時間体制で医療、心理ケア、栄養管理、作業療法、社会活動、リハビリテーションなどのサービスを提供し、高齢者の尊厳と生活の質を維持することが求められている。

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