高齢者へのワクチン接種が進むダバオ市だが、新たな課題も見つかってきているようだ。ダバオ市長のサラ・ドゥテルテ=カルピオ氏は、高齢者がワクチン接種への登録方法をまだ知らないというフィードバックがあったと明らかにした。
5月17日、災害ラジオに出演したサラ市長は、「最も意見として多いのは、ほとんどの高齢者が登録の仕方を知らないことです。ワクチンを受けたくないという声はないのですが、どこで登録できるか知らないのです」と語った。そして、「ワクチン接種の情報が不足しています」と、ワクチン接種の課題について言及した。
他にも、高齢者の中には「事態を静観している」人もいるという声も届いているようだ。サラ市長は、「一部の人、特に市内の高齢者は事態を静観している状態です。そのうち一人は、数週間ワクチンを接種した友人の状態を見ていると言っていました」と語り、ワクチン接種が進まない別の要因について言及した。
サラ市長のもとには他の優先されるグループの人からワクチンを接種したいという声も届いている。しかしながら、まだ対象となっていないため、接種はできない状況だ。サラ市長としては、感染者数の高まりに備えてワクチン接種を進められればと考えている。ワクチンを1回でも接種する人が増えれば、市内の感染者数増加に歯止めをかけることができるからだ。それゆえに、ダバオ市の制限を解いていくためにも、多くの市民にワクチンを接種してほしいと述べた。ダバオ市は、180万人の総人口のうち80万~120万人にワクチンを接種したい考えだ。
高齢者のワクチン接種について周知を図ろうと、ダバオ市は、公式Facebookページに高齢者のワクチン接種に関するガイドラインを投稿した。ここには手順が一つひとつ丁寧に書かれており、電話を利用した登録方法、その後の流れ、ワクチン接種時に気をつけてほしいことなど書かれている。日本のワクチン接種との違いを見ていくと、持ち物に違いが見られる。こちらのガイドラインには、日本のワクチン接種の持ち物にはないボールペン、水や軽食、薬なども持ってくるよう書かれている。
高齢者をはじめとした市民のワクチン接種が進むことを願ってやまない。