ダバオ市が継続して取り組んでいるのが「洪水対策」だ。先日、排水施設の不備について取り上げたが、それだけでなく川沿いの住民や住居への対策も取っている。そして先日、公共警備および安全指令センター(PSSCC)は、川の堤防に建てられた住居を撤去した。
4月24日にPSSCCが解体した住居は、約130棟におよぶ。それらはダバオ川(Davao River)沿いに建てられており、Brgy、Bucanaにあったものだ。今回撤去の対象となったのは川沿いに住む住民によって違法に建てられたもので、それらは家を拡張した際に作られた台所やリビング、応接間などになっていた。
今回のこの措置に踏み切ったことについて、PSSCCのColonel Angel Sumagaysay長官はその理由を語った。「堤防を守るためには解体するしかなかったのです。建物が堤防に乗った状態だと堤防が役割を果たさないので、堤防を完全な状態にしておかなければならないですから」。そして続けて、「川が氾濫したときに備え、人々の安全を守る目的もあります。特に雨季は洪水が起きやすいですし、まずその影響を受けるのは堤防に住んでいる人たちです」と語った。今回の強制撤去は、人命を守るための措置だったようだ。
また、これまで住居の撤去に応じてくれた住民もいたと明らかにした。この依頼に応じた場合、市長のオフィスから食料の詰まったパックが貰えるという。
今回のような撤去作業は、Brgy、76-A以外にも、Talomo、Toril、Banawan、Panacanでもおこなわれている。Sumagaysay長官は、最後に再び市民に呼びかけ、「堤防は川のものであって、人が住んだり、住居を建てたりするべきではない」と語った。市民の安全を守るため、撤去に応じない住民がいる限り今後も撤去は続くだろう。