2022年には、フィリピンの次期大統領を決める選挙が控えている。そして先日、フィリピンの世論調査機関パルス・アジアは、大統領選の年度末の調査結果を公表し、なんとダバオ市長を務めるサラ・ドゥテルテ=カルピオ氏が1位になったのだ。しかしサラ市長は、調査から名前を外すよう要請したという。その真意とは何だろうか。
パルス・アジアの調査は、2020年11月23日~2020年12月2日におこなわれ、2,400人が次の大統領選で誰に投票するかを集計したものだ。その結果、26%のフィリピン人は、現大統領の娘であり、ダバオ市長でもある「サラ・ドゥテルテ=カルピオ氏」に投票したことが明らかになった。地方別の割合を見ると、ミンダナオ58%、ビサヤ29%、メトロマニラ16%、ルソン12%となっている。また、その他の候補者の投票率を見ると、元上院議員のFerdinand “Bongbong” Marcos Jr.氏と、上院議員のGrace Poe氏がそれぞれ14%で2位に付けている。サラ市長がかなり優勢であることが伺える。
しかしサラ市長は、この結果が公表されてから、自分の名前を次期大統領選のリストには今後一切入れぬよう要請している。サラ市長は「今はこれからの選挙のことなんて考えていない。目の前にある、ダバオ市の新型コロナウイルス(Covid-19)対応に集中して取り組んでいるところだ」と語った。
また、過去には現大統領で元ダバオ市長のロドリゴ・ドゥテルテ氏が、娘のサラ市長にいくつか言葉をかけている。2019年7月には「彼女(サラ氏)が大統領選に出馬するかは、2021年までに決めることだろう」と発言しており、その後2020年7月には「この仕事(大統領)に入ってこないようにと、娘には言った。ただストレスになるだけだ」とも発言している。
現在サラ市長は、ダバオ市のCovid-19対応に全力で取り組んでおり、大統領選は今のところ眼中に置いていないというのが現状のようだ。今後の大統領選の行く末に注目したい。