ダバオ市の新型コロナウイルス(Covid-19)新規感染者数は、依然として高い水準である。そして、医療従事者もCovid-19に感染する事例が増えてきており、保健省ダバオ支部(DOH-Davao)はその合計が1,141人に既に達していると報告している。今回は、医療現場の現状について伝えていきたい。
DOH-Davaoの「ダバオ地方におけるCovid-19週刊報告」によると、11月18日時点で医療従事者のCovid-19感染者数は、既に1,000人に到達していたという。前出の1,141人の内訳は、看護師269人、医者133人、付き添い看護師89人、医療技師51人、その他の医療従事者が103人である。また、医療スタッフではない者が186人、その他病院関係者が310人となっている。ただし、このデータには回復者数は含まれていない。
11月18日現在、ダバオ地方のCovid-19感染者の総数は7,779人におよび、陽性者が2,325人、回復者が5,168人、死者数が286人となっている。また、PCRテストにおける陽性率は5.9%だという。この数値について、ある医者はCovid-19の状況をコントロールするためには5%以下に落とさなければならないと語っている。
DOH-Davaoのダバオ地方の監視部門責任者であるクレオフェ・タバダ氏は、一部の病院からはCovid-19の対応で「重度の負荷」が医療スタッフにかかっていると語った。例えば、南フィリピン医療センター(SPMC)医院長のリチャード・オウダン医師は、「病院はマンパワーが不足しており、他に対応できるスタッフもひと握りしかいない」と語っている。このように、医療関係者への負担がかなり大きくなっており、支援が急務となっている状況である。
新型コロナウィルス国家感染対策タスクフォースのカルリト・ガルベズ氏は、これに対し、政府はOplan Kalingaプログラムを行ない、この危機を乗り越えるための支援を行なうと語った。このプログラムは、家庭やコミュニティ内での感染拡大を防ぐことや、陽性者を適切に見つけ出し、施設で隔離させることをおこなうものである。
ダバオ市はCovid-19感染拡大の厳しい局面を迎えているが、これらの手立てが相まって改善の兆しが見えればと思う。