9月7日、フィリピン農業省は、ダバオ市はフィリピンの「カカオ都市」であることを宣言した。同省大臣のウィリアム・ダル氏によると、この宣言はダバオ地方で生産されるカカオの品質が大変よく、国内総生産量の70%以上を占めていることが理由だという。同宣言によって、フィリピンのカカオ生産がさらに促進されることが期待される。
2019年、ダバオ市で生産されたカカオは約2,289トンに上っており、過去5年間、ダバオ地方は平均して国内カカオ総生産量の80%を生産しているという。これほどたくさんの生産量を誇っているのは、ミンダナオ島の「気候」が影響している。年間を通して雨が降り、高温で湿潤な環境は、カカオ栽培に適している。ミンダナオ島およびボホール島は明確な雨季が存在せず、安定した降雨があることから、この条件を満たしている。また、台風が直撃することも少ない。
カカオの生産条件に恵まれたダバオ地方であるが、フィリピンの国内総生産量は、世界的にみるとまだまだ少ないのが現状である。生産量1位のコートジボワールが約196.3万トン(2018年)生産しており、フィリピンの総生産量は、世界全体の1%にも至っていない。また、カカオの国内需要は高く、供給量が間に合っていないため、隣国のマレーシアやインドネシアから輸入しているのが現状である。しかし、近年はヨーロッパなどへの輸出も行っており、その量は国内生産量の10%ほどである。
ダバオのカカオは品質が大変よく、日本人の口にも合う風味なので、ダバオが「カカオ都市」としてさらに発展し、ダバオのカカオが日本でも気軽に楽しめる日がくることを願っている。