こんにちは!ダバオッチのゆいです。
今回は2025年11月8日、ダバオ市内のショッピングモール「ビクトリアプラザ」で開催された 第19回極真空手体重別選手権大会 を観戦してきました。
特設ステージには、大人から子どもまで白い胴着に身を包んだ選手たちが集まり、次々と試合がスタートしていきます。時間が経つにつれて観客も増え、ショッピングモールとは思えないほど会場は熱気に包まれていきました。
これまで全国大会の多くは首都マニラで行われてきましたが、今回はダバオでの開催。地元でも競技者が増え、日本文化に触れる人が広がるきっかけになること、そして空手に情熱を注ぐ若い選手がもっと増えていくことが期待されています。
この記事では、大会の中心となる「型」と「組手」にスポットを当て、当日の迫力と高揚感あふれる大会の様子をお届けします!
試合会場
試合会場は、なんとショッピングモール!ダバオ最古のショッピングモールとして親しまれるビクトリアプラザです。スポーツの大会がショッピングモールで行われるのを見るのは初めてで、かなり新鮮でした。
極真空手を観にきた人はもちろん、買い物に訪れた人まで、さまざまな人が足を止めて試合を眺めています。モールの中心で繰り広げられる格闘技は、普段スポーツを観ない人の目にも止まりやすく、自然と観客が増えていくのが印象的でした。
通常のスポーツ会場ではその競技を目当てに来た人だけが観客になりますが、ショッピングモールで開催することで、競技そのものの認知度向上につながることに加え、観客層を広げる効果も期待できます。さらに、来場者が増えることでモール側の経済効果にもつながるなど、さまざまなメリットがあると感じました。
NCCC モール ビクトリアプラザ
住所:J.P. Laurel Avenue Bajada, J.P. Laurel Ave, Poblacion, Lungsod ng Dabaw, Lalawigan ng Davao del Sur
「型」
午前中は「型」の部が行われました。
ステージに選手が立つたび、会場の空気がスッと引き締まり、観客は静かにその一挙手一投足を見つめます。出場者は低学年の小さな女の子から、堂々とした体格の大人の男性まで幅広く、それぞれが自分の完成させてきた型を披露していきます。
動作のキレや、ピタリと止まる間の取り方、技の強弱のつけ方、ハライの美しさ—そうした細部の魅力が素人の私にも伝わってくるほど、どの型も完成度が高く、思わず見入ってしまいます。
見ているだけで自然と気持ちが引き締まり、思わず拍手したくなる迫力もある、そんな特別な時間でした。

採点は、選手の周りに配置された5人の審判によって行われます。方式は減点制で、評価項目が細かく定められており、審判は資格を持つ人だけが務められるそうです。
中央に座っていたのは、極真会館 総本部代官山道場の責任者である赤石誠師範。今回の全国大会のためにダバオを訪れられたとのことです。日本で生まれた空手が海を越えて伝わり、場所が変わっても同じ形で受け継がれ、多くの人に親しまれていることを改めて実感しました。
「グループ型」
続いて行われたのは、「グループ型」の部です。三人一組の選手が横並びになり、全く同じ型をシンクロさせて演武していきます。個々の型でも十分に見応えがありますが、三人の動きがそろうことで、迫力や美しさがさらに増していました。
手足の動きや呼吸、止めのタイミングまで一糸乱れずそろう様子は、試合というよりも一つのパフォーマンスのよう。観客は息をのんで見入ったり、思わず拍手したくなる場面が何度もあり、会場全体が魅了されていました。
「組手」

午後になると、会場の空気は一気に熱を帯びました。「組手」の試合が始まると、選手の打撃音や気合いの声が響き渡り、観客の声援も次第に大きくなっていきます。
第1試合は体格のしっかりした男性同士の対戦。
顔面への直接攻撃は禁止されていますが、胴体への素手の打撃は迫力満点で、観客は思わず目を見張っていました。試合が始まると、その激しさに観客は思わず驚きの声を漏らしていました。会場には緊張と興奮が入り混じり、試合の勢いに全員が引き込まれていました。
組手の試合が始まると、気づけば会場は観客でいっぱいになっていました。
1階の通路には、買い物の途中に立ち止まった人々があふれ、気づけば2階のギャラリーも観客で埋まっていました。

観戦中に話を聞いたフィリピン人の方は、極真空手の試合を見るのが初めてだそうで、「こんなに面白いとは思わなかった」と驚いていました。
選手たちは大歓声の中で全力を尽くし、観客もその熱気を間近に感じることができます。これまで極真空手を知らなかった人も、試合を通してその魅力に触れることができる—まさに会場全体が一体となって盛り上がる空間でした。

まとめ
今回の極真空手全国大会は、競技そのものだけでなく、観客との距離の近さやショッピングモールというユニークな会場ならではの面白さが際立つ一日でした。型では静と動の美しさに見入り、グループ型の息の合った演武に感動し、組手では全身を使った真剣勝負に胸が熱くなりました。
買い物客が足を止めて試合を眺めたり、初めて極真空手を見た人が「こんなに面白いとは思わなかった」と話していたのも印象的で、空手を知る人にも知らない人にもその魅力が届く場になっていたように感じます。
競技人口の減少が課題とされる一方で、子どもたちの力強い姿や仲間と挑む選手たちの表情からは、未来への希望も見えました。この日、ビクトリアプラザで試合を見た誰かが極真空手に興味を持ち、新たな一歩を踏み出す—そんなきっかけが生まれていたかもしれません。
今後もダバオからスポーツや文化の魅力を伝えていきたいと思います!







