
フィリピン公共事業道路省(以下DPWH)は、ダバオ市バイパス建設プロジェクト(以下DCBCP)の全長2.3kmに及ぶ南行きトンネルの掘削工事について、貫通まで残りわずか2mであると発表した。
DPWHのエミル・K・サダイン上級次官は、マヌエル・M・ボノアン長官への報告の中で、南行きトンネルが今週中にも貫通する見込みであり、これはダバオ市のみならず、フィリピン全体にとっても重要な節目になると述べた。
サダイン氏は、2025年8月22日の現地視察の際に、「この進展は、複雑な地質条件の下でトンネル工事に取り組んだフィリピン人技術者や作業員の、卓越した連携、工学的専門性、そして強い粘り強さを証明するものです」と話した。
DCBCPでは、すでに2025年3月に北行きトンネルが貫通しており、2本のトンネルからなるツインチューブ構造のプロジェクトは、全面供用に向けて着実に進展している。
本プロジェクトは、全長45.5kmに及び、5つの主要契約区間に分かれて整備される。マハルリカ・ハイウェイのダバオーディゴス区間と、パナボ市のダバオーアグサン国道を結ぶ代替ルートとして都市交通の混雑緩和を目指しており、日本の政府開発援助(ODA)による国際協力機構(JICA)の円借款を活用し、フィリピン政府との協力のもと進められている。
ボノアン長官は、ダバオのツイントンネルはフィリピンの道路インフラ整備における「新時代の幕開け」に過ぎないと強調し、続いて計画されている全長23kmの「ダルトン峠東側道路整備プロジェクト」に言及した。
このプロジェクトは、中部ルソン地方のヌエバ・エシハ州とカガヤン・バレー地方のヌエバ・ビスカヤ州を結ぶもので、ダバオ・バイパスの約2倍の長さのトンネル区間を含む。
計画では、ツインチューブ構造のトンネルが合計6.121kmにわたり建設され、北側区間が4.516km、南側区間が1.605kmとなる。また、総延長5.828kmに及ぶ10本の橋梁も整備される予定だ。
現在、設計コンサルタントの選定作業が進行中で、詳細設計は2026年初頭に開始される見込みである。