【News】ディゴス市のバランガイ・キャプテン、Facebookライブ配信中に襲撃される

警備員

ディゴス市のバランガイ(行政区)トレス・デ・マヨのバランガイ・キャプテン(行政区長)、オスカー・ドドン・ブコル・ジュニア氏が、11月25日夜にFacebookでライブ配信中、何者かに射殺され亡くなった。

ブコル氏は生前、ダバオ・デル・スル州のイヴォンヌ・R・カガス知事を支持し、サンタ・クルス市およびディゴス市の一部政治家を批判する立場を取っていたことから、繰り返し殺害予告を受けていると訴えていた。

事件は配信中に発生し、背後から銃声が響いた直後、ブコル氏が血を流して倒れ「助けてくれ」と声を上げる様子が生中継で映し出された。

視聴していた住民らが病院に駆けつけたが、搬送後に死亡が確認された。

過去の発言から浮かび上がる政治的亀裂

ブコル氏の過去のライブ配信や投稿を確認すると、2025年初頭以降、サンタ・クルス市のホセ・ネルソン・タタ・サラ市長、ディゴス市のジョセフ・フォルティッチ・カガス市長を名指しで批判していた。

両市長が、自身の支持する政治家、とりわけカガス知事に対する「政治的締め付け」を行っていると主張していた。

ブコル氏はサンタ・クルス市の内政への干渉を否定し、「我々がサンタ・クルス市政およびサラ市長に干渉したことがないことは皆が知っている。誤解を招くような発言もしていない」と強調していた。

緊張が高まったのは、市長連盟(LMP: League of Municipalities of the Philippines)選挙後だとし、「選挙後に突如攻撃が始まった。ライブ配信では、私に何かが迫っていることを仄めかされた」と語っていた。

恐怖は消え去り、残ったのは怒りと勇気だけ

事件翌日の11月26日、イボンヌ・カガス州知事は州庁舎で取材に応じ、「恐怖は消え去り、残ったのは怒りと勇気だけだ」と今回の事件に強い憤りを示した。

州政府と副大統領府は、ブコル氏殺害の銃撃犯と首謀者に関する情報提供に対し、合わせて200万ペソの報奨金を出すと発表した。

カガス知事は、「我々は100万ペソを提供します。銃撃犯に50万ペソ、首謀者に50万ペソです。サラ副大統領がさらに100万ペソを提供してくださり、総額200万ペソとなることに感謝しています」と述べた。

知事は事件解決への協力を呼びかけ、市民に情報提供を促した。

副大統領弾劾問題をめぐる圧力も主張

ブコル氏は生前、サラ・ドゥテルテ副大統領に対する弾劾訴追に関する自身の政治的立場を変えるよう圧力を受けたと主張していた。ダバオ地方選出の議員で訴追を支持したのはジョン・カガス下院議員ただ一人だった。

ブコル氏は、「私に、ジョセフ・カガス市長とトレイシー議員に加わるよう求めてきた。副大統領のインダイ(Inday:サラ・ドゥテルテ副大統領の愛称)が弾劾されると言っていたからだ。私は彼の事務所でこう伝えた。『何が起ころうと、私はドゥテルテ家を裏切らない』」と語っていた。

この問題を近日中の配信でさらに議論する予定だったが、その直前に殺害された。

特別捜査本部を設置ー過去発言を精査

ダバオ・デル・スル州警察は、事件を重く受け止め、特別捜査タスクグループを立ち上げた。捜査班はブコル氏の過去発言を確認し、本人が言及していた人物を中心に3人の重要参考人を特定。周辺の監視カメラの映像収集も進めている。

警察は声明で、「被害者が過去に名指しした人物をもとに、すべての可能性を追っている」と強調した。 

地元有力者らが事件を非難

ディゴス市政府は、事件を「無意味な暴力行為」と非難した。ディゴス市のジョセフ・フォルティッチ・カガス市長も今回の襲撃を糾弾し、「政治的意見の相違はあったものの、彼の死を望んだことなど一度もない。彼がライブ配信で提起した問題は私にとって目新しいものではなく、彼だけが語っていたわけでもない」と述べた。

また更に「政治の世界に入った以上、批判や批判者は民主主義社会の一部だと受け入れた。しかし政敵からのこうした批判にもかかわらず、私は不正を指示したり実行したりしたことは一度もない」と強調した。

ブコル氏と政治的に連携していたカガス知事はSNS上で、「次は誰だ?我々か?ダバオ・デル・スル州民よ、声を上げろ!」と強い警告を発した。

サラ市長は沈黙を続ける

ブコル氏の過去のライブ配信や政治解説で頻繁に言及されてきたサンタ・クルス市のホセ・ネルソン・タタ・サラ市長は、11月26日時点で殺害事件に関する声明を発表しておらず、ブコル氏が以前に提起した疑惑にも反応していない。

配信に映った住民は関与否定

事件直前、落とし物のIDと財布を返しに来た男性が配信に映っており、ネット上では「共犯者ではないか」と疑いの声が上がった。だが男性はメディア取材で関与を否定し、「過去写真が誤解されているだけだ」と説明した。

彼はブコル氏に近づいたのは紛失物を返すためだけだと説明し、ソーシャルメディアで拡散されている非難は根拠がないと主張した。

住民に慕われたバランガイ・キャプテン

地元住民たちは、ブコル氏を「頼りになる指導者だった」と口をそろえる。「昼夜を問わず、いつ誰が助けを求めても、必ず応えてくれる人だった」と隣人のペレグリーノ・アマハン さんは話した。

若い近隣住民もこれに同調し、彼を厳格だが勇敢な指導者であり、バランガイの平和を守ってきた人物だと評した。

14歳のジョン・ジョンさんは、「トレス・デ・マヨにはギャングも争いもなかった。これから治安が悪化しないか不安だ」と震える声で語った。

病院からのライブ配信では、銃撃事件後、救急スタッフがブコル氏を急いで搬送する中、住民たちが正義を求めて叫ぶ様子を捉えていた。

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