フィリピンにおけるロケット技術の分野はまだ発展途上だが、アテネオ・デ・ダバオ大学(以下AdDU)のロケットチームはその逆境に挑戦した。彼らは、スペースポート・アメリカ・カップに参加する初のフィリピンチームになるという大胆なミッションに乗り出したのだ。 彼らの目標は、「成長や新芽」を意味するロケット「Sibol」を打ち上げを打ち上げることである。
ロケット「Sibol」は、AdDUの専任アドバイザーであるロゲル・マリ・セセ博士の支援を受けている。2023年に教員アドバイザーのウィルフレド・パルドーラ・ジュニアがチームにスペースポート・アメリカ・カップへの挑戦を提案したことから始まったと。 スペースポート・アメリカ・カップ2024は、世界最大の学生ロケット工学競技会であり、20か国から約200チームが参加する。
スペースポート・アメリカ・カップの歴史を見てみると、フィリピンの大学がこの大会に参加したことはない。 目標を達成するためのチーム選考は厳しい審査を経て行われた。「Sibol」の製作も容易な作業ではなく、ガラス繊維などの危険な材料を扱うためには、精密さと注意が求めらるのだ。
6月17日、AdDUのチームはアメリカ・ニューメキシコ州のラスクルーセス・コンベンションセンターに到着し、打ち上げの準備に取りかかった。しかし、発射台までの道のりには、物流や技術的な問題など、多くの障害が立ちはだかった。 「打ち上げ予定日があったのですが、天候の悪化により打ち上げを中断せざるを得ませんでした」と構造担当および代替回収リーダーのマリズ・アイラ・セノジャスさんは語った。 6月21日に再設定された打ち上げ日、ランプで発射台に向かおうとしていたところ、2基のロケットに問題が発生し、発射のチャンスが危ぶまれた。発射台が破壊されたり、別のロケットが立ち往生したりしたため、AdDUのチームはその日発射する資格を得られなければ、6月22日に再設定される可能性があった。予定が変更されたとしても、22日の天候が予測できないため、チームは発射を諦めなければならないと思っていた。しかし、幸運なことにアリゾナ州立大学のチームが、21日の発射枠をAdDUロケットチームに譲ってくれたという。 新たな決意を胸に、AdDUロケットチームは「Sibol」のエンジンを点火し、9.7フィートの高さのロケットを目標高度である10,000フィートに打ち上げに成功した。
この打ち上げは単なる技術的成果に留まらず、フィリピンの航空宇宙工学の分野において深い意味を持つとウィルフレド・パルドーラ・ジュニア氏は語った。 AdDUロケットチームはその後学問コミュニティからの支援やチームに感謝の意を示した。セセ博士は、大学の学長であるカレル・サントス・サンフアン神父が彼らの事業を推進したこと、工学部の管理者、助教、教員、スタッフ — すべてが空への夢の実現に貢献したことを強調した。 ダバオにある大学の生徒達がこのように世界的な大会に出て成果を出したことはとても喜ばしいことだ。今後の活躍にも期待が高まる。
【News】ミンダナオ島の文学の100年を辿る本、アテネオ・デ・ダバオ大学から発売される
【News】アテネオ大学付属高校がオンライン授業を来週から開始、各生徒にWIFI機器を無償提供
【News】ダバオの情報ポータルサイト「ダバオッチ」でサポーター募集開始!