【News】アボイティズ石炭火力発電所、フライアッシュの再利用で煉瓦生産

山間部

フィリピン国内の大手発電事業社、アボイティーズ・パワーの子会社にあたるテルマ・サウス・インク(以降、TSI)は、フライアッシュ(石炭を燃焼した際に生じる灰の一種)と呼ばれる廃棄物を原料として再利用し、地球環境にやさしいエコ煉瓦を生産する予定である。

当製品はアボイティズ社の職員で構成されたユナイテッド・カイビガン・マルチパーパス・コーペラティブ(以降、UKMC)組合のメンバーによって生産され、来年の始めから販売が開始される見通しだ。

TSIの副社長兼工場長のヴァレンティン・サルデス氏は、「弊社の発電過程で発生するフライアッシュは危険性はなく、地域社会のためにも、これらを役立てたい。」と述べた。

再利用されるフライアッシュは、ダバオ市内のトリル地区ビヌガオをはじめとした、同社の石炭火力発電所から回収される。当原料は煉瓦に加えて、発電所内の建造品の生産にも利用される予定だ。

TSIはフライアッシュ製煉瓦の生産において、発電所の近隣住民たちを雇用対象にすることを検討しており、当プロジェクトは一日に600個のレンガの生産を目標とし、価格は1個に付き18~25ペソほどを想定している。

さらに同社は12月1日、ブラカン州に拠点を置き、エコ煉瓦の生産技術を有するグリーン・アンツ・ビールダース社とパートナシップを結び、同技術を導入している。

今回の試みに対しグリーン・アンツ・ビールダースのロメル・ベニグ社長は、プラスチックゴミとフライアッシュを利用した煉瓦生産は、廃棄物の減量および環境保存につながると述べている。

同氏はまた、廃棄物を資源として再利用するのが同社の行動指針であり、各煉瓦に含まれ断熱材としての役割も持つ汚れていない袋の提供を住民に呼びかけた。1キロ分のプラスチックゴミに対して煉瓦1個と交換が可能で、ごみの分別促進効果にも期待ができるとコメントした。