エマヌエル・ピニョル前農業大臣は、フィリピン人家庭の飢餓緩和プログラムとして陸稲耕作を推進している。
8月3日午後、ダバオ市内のレストランで記者会見を開いたピニョル氏は、「Kalahating Ektarya sa Bawat Pamilya(すべての家庭に0.5ヘクタールを)」と題した陸稲耕作による飢餓緩和プログラムを発表した。このプログラムは、エルニーニョ現象により発生しうる米不足に備え、ハイブリッド種や近交系種子の使用、灌漑システムの修復、陸稲耕作のための肥料の使用を促進するものである。
プログラムは、フィリピン大気地球物理天文局(Pagasa)の協力を得て、旱魃の影響を受けない地域を特定した。これにより、プログラムの実施者は集中して米の生産介入を行うことができるようになった。「地産地消が最善策だ」とピニョル氏は主張する。
同氏は米の生産に適した地域を探すと同時に、すべての灌漑システム、特に共同灌漑システムの修理と修復を推し進める。その上で、同氏は太陽電池を利用した灌漑システムをもっと導入すべきだと提案した。これの設営には4ヶ月を要するが、それは輸入米が国内に到着するのと同じ期間だという。
「私たちは、近隣諸国が供給する食糧に頼ることはできない。自分達の食い扶持は自分達で作らなければならない」と、昨今の米の輸出に関する厳しい情勢を鑑みて、ピニョル氏は語る。これを念頭に置いて、各家庭でのハイブリッド種の陸稲耕作を勧め、自分たちの食糧を確保することで、来たる米不足に備えることを推奨している。0.5ヘクタールの収穫で、1年間家族を養うことができるという。
このプログラムでは、陸稲耕作が可能な地域の家庭には、1.5ヘクタール分の種子と、耕作場所の設置、施肥、株の維持管理に必要な投入資材が提供される。ピニョル氏はまた、これによって市民だけでなく政府も恩恵を受けられるため、各地方自治体にも支援を要請している。
降水量の半減が予想される今年の下半期、国や地方、より小さな自治体の対応がそれぞれに採られている。いずれにしても、やはり目下一番の懸念は食糧だ。輸入に頼らず国内生産で国民を賄えるよう、このプログラムの成功を願う。