2022年、フィリピンでは大統領選がおこなわれる。これまで以上に選挙活動は活発になってくることだろう。これに伴い、選挙管理委員会(Comelec)は、銃の所持を禁ずる動きを見せている。銃がショッピングモールでも買えてしまうフィリピンにおいて、どうしてこの時期に限って禁止するのだろうか?
ダバオ地方警察(Police Regional Office (PRO)-Davao)のEudisan Gultiano氏は、1月5日のオンラインでの記者会見において、1月9日から6月8日にかけて銃の使用を禁じると発表した。この期間は銃の所有権や所持のためのライセンスはそのままとなるが、住居の外に持ち出すことは禁止される。また、警察などの職員だけが制服を着ているか否か問わず、外に持ち出すことが許される。さらに、安全のために銃を携帯したい選挙立候補者については、選挙管理委員会に届け出る必要がある。
さて、この決まりが出るのには、選挙期間中に死傷者が毎回出ていることが理由として挙げられる。3年前の2019年におこなわれた選挙期間中にも、大使館から注意喚起が出ていた。そのため、今回の銃規制だけでなく、選挙委員会の決議により、チェックポイントの設置義務、銃などの致死力のある武器の所持や輸送禁止などが定められている。さらに、ダバオ地方警察はすでにタスクフォースを編成し、選挙期間中のセキュリティプラン(ダバオ地方内や他地方との境界に設置するチェックポイントなど)を作っているところだという。
選挙活動が始まると、さらに熱気を帯びてくることだろう。ただし、期間中は安全に毎日過ごせるようになればと思う。