8月8日、東京オリンピックが閉幕した。新型コロナウイルスの影響で1年延期、コロナ禍での開催、さまざまな不祥事に伴う辞任など、多くの混乱があったものの、選手たちの一生懸命な姿は感動を与えてくれた。それだけでなく、コロナ禍で暗いニュースが続いていた中に、たくさんの明るいニュースを届けてくれた。
今回の東京オリンピックにて、フィリピンは過去最高であるメダル4枚(金1枚、銀2枚、銅1枚)を獲得した。金メダリストである女子ウエイトリフティングのヒディリン・ディアス選手、銀メダリストである女子ボクシングのネスティ・ペテシオ選手、および男子ボクシングのカルロ・パーラム選手、そして銅メダリストである男子ボクシングのエウミル・マーシャル選手の4名である。そして、ヒディリン選手とマーシャル選手はミンダナオ島西端に位置するザンボアンガ市出身、ペテシオ選手はダバオデルサル州出身(ボクシングのキャリアはダバオ市で積んだ)、そしてパーラム選手はカガヤンデオロ市出身となっている。4名全員がミンダナオ出身となっている。
2名のメダリストを輩出したザンボアンガ市からは、祝福の声が多く上がっている。同市観光局長であるSarita Hernandez氏は、「2名が東京オリンピックで見せてくれた姿は、私たちにたくさんの誇りと希望を与えてくれました」とコメントし、銅メダルを獲得したマーシャル選手に対しても「誇りに思います。銅メダルだとしても、彼は本当にチャンピオンです。本当に素晴らしかったです。感動する時間をくれたことに感謝します」と言葉を贈った。どの関係者も、フィリピン初の金メダルを獲得したディアス選手だけでなく、銅メダリストのマーシャル選手を同じように称えていた。
また、銀メダリストとなったパーラム選手にも、報奨が送られるようだ。パーラム選手はかねてからバイクが欲しいと公言していた。同選手のインスタグラムにはバイクにいくつか試乗したという投稿もあり、その中には憧れのバイクが「Yamaha YZF R6」であるというものもあった。銀メダルを獲得した後、フィリピン国内の大手バイク業者が大型バイクを用意することになった。この業者がバイクの写真を投稿しているが、スポーツタイプのバイクのようだ。さらに、パーラム選手にも1,700万ペソ(約3,700万円)の報奨金が出る見込みだ。さらに、地元カガヤンデオロ市には、駐車場付きの住宅(360万ペソ、790万円相当)が不動産業者から進呈される。
今回の東京オリンピックでは、多くのフィリピン人選手の活躍を見ることができた。3年後のパリオリンピックへの期待も高いといえよう。