ダバオ市出身の海外フィリピン人労働者(OFW)である男性が、南アフリカ型変異ウイルスに感染していたことが明らかになった。この男性は、海外に働きに出ようとしていたが、その途中で変異ウイルスに感染したという。ただし、既に隔離措置は終わっており、マニラで感染しているため、ダバオ市への影響はなさそうだ。
ダバオ保健所のAshley Lopez医師は、4月14日、保健省疫学局がダバオ市初の南アフリカ型変異ウイルスの感染者を確認したと発表した。ただし、この男性はマニラに滞在中に、陽性の判定が出たということも明らかにされている。Lopez医師は、「男性は一時的にダバオ市に住んでいました。そして、海外での仕事に応募しましたが、コロナ禍の影響で、マニラで立ち往生していたのです。その後PCRテストを受けたところ、南アフリカ型変異ウイルスの保有者であることが明らかになりました」と語った。
また、この男性は既に2月初旬には隔離措置を終えて、現在は回復しているという。そして、その後の遺伝子検査を経て、変異ウイルスに感染していたことが判明したのが3月中旬のことだったという。
フィリピン国内でも、変異ウイルスの感染がマニラ首都圏を中心に広がっている。そして現状、南アフリカ型変異ウイルスが従来のものと比較して重症化するという証拠は出ていないものの、その広がり方を見るに感染力は強そうだ。変異ウイルスの調査をおこなっているフィリピン大学のPhilippine Genome Center (PGC)によると、4月11日現在、フィリピン国内では変異ウイルスの感染者が382名発見されており、その内訳はイギリス型170名、南アフリカ型192名、ブラジル型1名、そしてフィリピン型19名となっている。
ダバオ市への直接的な影響はなさそうだが、いつダバオ市に変異ウイルスが持ち込まれてしまうかは分からない。ダバオ市も検問など厳重におこなっているが、市民も基本的な感染対策に継続して取り組むことが求められる。