南コタバト州にて、金および銅の採掘プロジェクトが計画されている。同地域には、世界的にも豊かな金と銅の鉱床が広がっているという。しかし、このプロジェクトに対し、ミンダナオの環境団体やカトリック団体が異を唱えている。
同プロジェクトを担う「Sagittarius Mines社(SM社)」は、およそ10,000ヘクタールにおよぶ採掘場で金および銅を掘削する予定だ。この採掘場の下に広がる鉱床はフィリピン最大であり、世界的にも大規模なものである。同鉱床は南ミンダナオの、南コタバト州Tampakanや、ダバオデルサル州Kiblawanに広がっている。また、同鉱床には銅1,500万トン、金5,000トンが存在すると考えられている。また、毎年銅を約375,000トン、金を約10トン採掘する計画で、17年にわたって採掘できると推測されている。
銅や金の採掘にあたっては、非常に可能性を感じるものがある。しかし、周辺住民をはじめとした人々は不安を感じているようだ。実は、同地域では1996年にMarcopper Mining社による採掘作業によって、川や海が汚染されたことがある。この時の災害を再発させないために、環境団体やカトリック団体をはじめとした連合体は「Protect Tampakan… Defend Mindanao: SMI Tampakan, Leave MindaNOW」というプロジェクトを立ち上げた。
では、採掘を担う会社側はどう考えているのだろうか?SM社は、環境に負荷を与えないよう真剣に取り組むと語っている。同社は、特に採掘作業によって生まれる選鉱くずや排水処理の問題が重要と考えており、それを遵守するための許可などを得ているという。
経済発展か、それとも環境保護か。その行方を見守りたい。