フィリピンヨーロッパ商工会議所、南ミンダナオビジネス評議会議長のアントニオ・ペラルタ氏は地元のメディアに対し、サマル島からダバオ間の橋の工事が完成した後、今まで以上にダバオから島内へのアクセスが容易になるため、観光客の増加が見込まれるが、その際に問題となるのは島内の電力不足となるだろうと語った。
電力不足が予想される主な原因は、橋梁工事完成後、島内へのアクセスが容易になるため、今まで以上に国内外から多くの観光客が同島の観光スポットに訪れることが予想されていることと、関連して観光業、飲食業や宿泊業の発展が見込まれる点にある。サマル島は過去にも電力不足で度々停電になるという状態を経験している。
ペラルタ氏は、電力不足が懸念されるサマル島の電気供給について、現在同島はダバオ市とディーゼル発電所に接続された海底ケーブルから電力を受け取っているが、散発的な状態であるため、将来の電力不足解決に向けて他の安定的な供給方法を検討しなければならないと付け加えた。
また、サマル島は石灰岩質であり潜在的に水不足という状態も懸念事項とされている。そのため、今後は電力や水、あるいは通信という生活インフラ基盤をどのように確保できるのかということが、島内への投資を呼び込む、また観光客の満足度を上げてリピーターを得るということの課題となりそうだ。
フィリピン国家経済開発庁(NEDA)と投資調整委員会(ICC)は橋梁工事計画にODA(政府開発援助)を通じ、230億ペソの予算計上をしている。橋梁建設は、ダバオ市のアズエラコーブとアイランドガーデン市の バランガイ(行政の最小単位)カリクリックで同時に実施される予定であり、この2か所は橋を繋ぐ起点と終点となる場所である。