ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は報道官を通じ、ミンダナオ島で発令されている戒厳令を12月31日以降延期しないことを発表した。
2017年5月23日、ミンダナオ島西部のイスラム過激派の活動激化を受け、ミンダナオ島全体に戒厳令が発令された。テロ組織との紛争や地元住民の選挙を経て、2019年初旬には独立自治を行うバンサモロ政府が発足し、バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域を治めることが正式に決定された。
戒厳令下では、警察や国軍が令状なしで逮捕や取り調べを行うことができ、人身保護規則が一時停止される。また夜間の外出禁止などの制限も市民に強制される。戒厳令発令以降、制限が緩められつつも、計3回延長され今日に至る。
ダバオ市では以前、サラ・ドゥテルテ市長が戒厳令の停止をもとめドゥテル大統領に手紙を送ったほか、市議会が決議を採り、戒厳令の延長取りやめを政府に求めたことがあった。
大統領付き報道官のSalvador Panelo氏は、ドゥテルテ大統領はフィリピン南部での犯罪減少を鑑み、軍司令官と治安当局からの戒厳令停止の提案を受け入れたと説明した。また同氏は、治安維持部隊に高い能力があり、戒厳令がなくともミンダナオ島の平和と安全を守ることができるとした。
今回の発表を受け、喜びの声を挙げたのは民間企業だ。ダバオ市商工会議所は「ミンダナオの成長と投資家の関心が高まることを期待し、市政府、警察、軍と協力して開発と進歩の確固たる基盤である平和と安全を維持するつもりだ。」と声明を出した。
戒厳令の解除で、観光や海外からの投資が盛り上がりることが期待される。ダバオ市も2020年にさらに活気のあふれる都市になることが楽しみだ。
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