医療アクセス向上施策および政策提言活動により、フィリピン人患者における治療費負担の格差は解消された。
武田ヘルスケア・フィリピンズ株式会社(Takeda Healthcare Philippines, Inc.)は、「ヘルスケア・アジア・アワード2026(Healthcare Asia Pharma Awards 2026)」において、「最優秀革新的サービス賞(Most Differentiated Service of the Year)」および「フィリピン最優秀患者アドボカシープログラム賞(Philippines and Patient Advocacy Program of the Year)」を受賞した。
これは、疾患の認知から治療完了に至るまで患者を包括的に支援する同社の医療アクセス向上施策が高く評価された結果である。
診断の遅れ、複雑かつ長期にわたる紹介過程、高額な自己負担といった課題を抱える医療現場において、同社は「患者支援制度(PAP:Patient Assistance Program)」を中核とした、独自性と持続可能性を兼ね備えたサービスを構築した。
本施策は、「治療の完遂は患者の支払い能力に依存すべきではない」という明確な理念に基づいている。
本制度では、各患者の経済状況を個別に評価し、治療全体を通じて無理なく負担可能な水準に応じて自己負担額を設定するものである。この患者単位の体系的アプローチにより、公平性を確保しつつ事業の持続可能性も両立している。
これは単なる割引制度ではなく、フィリピン人患者の実情に即して設計され、環境変化にも柔軟に対応可能な個別最適化型のアクセス支援モデルである。
本運用モデルでは、独立した第三者が患者ごとの経済的支援ニーズを評価し、その結果を制度設計に反映している。患者は治療費の一部を負担し、武田ヘルスケア・フィリピンズは、地方自治体および関係機関と連携して残余費用を補完する仕組みである。
また武田ヘルスケア・フィリピンズは、慈済慈善事業基金会(Tzu Chi Foundation)をはじめとする民間医療機関や主要病院との協働により、医療アクセス向上施策を診療過程の中に組み込んでいる。これにより、患者の自己負担軽減と、受診から治療完了に至る一連の流れにおける連携強化を実現している。
これまでに1,300人以上のフィリピン人患者が本施策の支援を受けており、その対象には、ホジキンリンパ腫(Hodgkin lymphoma)、炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease)を含む希少疾患が含まれる。
治療完遂を可能とすることで、患者の就労・就学復帰や介護役割への再参画を促し、未治療疾患がもたらす社会的・経済的負担の軽減に寄与している。
さらに同社は、費用面にとどまらず、地理的に孤立した地域や社会的に不利な状況にある地域における医療格差の是正にも取り組んでいる。
パートナーとの連携を通じて、患者の受診支援体制の強化や、適切な医療機関および専門医への紹介機能の改善を進めており、医薬品アクセス推進フォーラムや各種連携枠組みを通じて、民間および公的資金の活用支援も行っている。
政策提言活動における重要な成果の一つは、血友病(haemophilia)などの希少疾患に対する救命治療がフィリピン国家医薬品リストに収載されたことである。これにより、連携の推進および医療技術評価の承認を経て、政府病院において必須医薬品への無償アクセスが可能となった。






