
南フィリピン医療センター(以下SPMC)は、2024年において約13,000件の分娩を記録した。
SPMC産科・婦人科部門のメンバーであるメアリー・リー・リム医師によると、このうち16.29%の妊婦が高血圧、1.8%が呼吸器合併症、5%未満が心疾患、3.5%が糖尿病、1.2%が甲状腺疾患、0.1%が感染症関連の疾患を抱えていたという。
リム医師は2025年5月26日朝、SMシティ・ダバオにおいて、「当院の分娩件数は増加傾向にあり、SPMCでは経営陣による手厚い支援のもと、看護師の増員も進められている」と述べた。
またリム医師は、今後も分娩件数は増加すると予測されることから、増加する患者に対応するために、より多くの看護師や医療スタッフの採用を目指していると説明した。
さらに、ダバオ市保健局(CHO)の提供したデータによれば、2025年1月から4月の間に妊娠合併症により計10名の女性が死亡している。そのうち2名は自宅出産によるもので、1名は出血、もう1名は子癇前症または子宮破裂による合併症が原因であった。
SPMC産科・婦人科部門のナオマエ・モンディア医師は、フィリピン保健省(DOH)が自宅出産やヒロット(伝統的産婆による施術)を強く控えるよう指導していると述べた。これらの方法は、妊婦にとって重大な危険を伴う可能性があるためである。
モンディア医師はまた、妊婦には医療機関での受診を促すとともに、自身の健康を守る意識を高めてほしいと語った。妊婦は、バランガイ(行政区)に常駐する保健担当者や助産師から支援を受けることもできるという。
リム医師も、妊婦が自宅出産を選択する背景には、本人の意識や文化的な要因があると指摘し、なかには自宅出産に対して過度の安心感を抱いているケースも見受けられると述べた。
一方、フィリピン健康保険公社ダバオ支部(以下フィルヘルス・ダバオ)の医療専門家であるジアネリ・クリスティン・レモカルド医師は、同機関が妊婦向けにさまざまな支援パッケージを提供しており、給付金もすでに従来の2倍に引き上げられていると明らかにした。
産科ケアパッケージの給付額は、医療施設向けが12,675ペソ、分娩所向けが15,000ペソであり、これには妊婦健診、定期検診、出産時のケアなどが含まれているという。
さらに、フィルヘルス・ダバオの広報担当者であるクレア・ゲバラ氏は、帝王切開手術に対する給付金を従来の19,000ペソから37,050ペソへと、50%以上増額したと述べ、妊婦に対しこれらのサービスを積極的に活用するよう呼びかけた。