
はじめに
こんにちは!ダバオッチ編集部のみゆです。在ダバオ日本国総領事館主催の日本アニメーション産業についての講演・アーティストによるイラストの描き方講座が2024/11/30(土)にSMX Convention Center Davaoにて開催されました。
講演には東映アニメーションフィリピン社長の東 伊里弥さんとグループプロダクションマネージャーでアーティストのアポロ アニョヌエボさんが来られました。当日は私もこのワークショップにとても興味があり参加しました。実際にアーティストの方からイラストの描き方を教えてもらう機会なんてめったに無くとても貴重な体験で、日本が誇れる文化のひとつだと実感したワークショップでしたのでご紹介したいと思います!

席に着くと、テーブルにはえんぴつ・けしごむ・水・白紙・日本の外務省が発行している日本の文化を世界に紹介する雑誌【にぽにか】・アンケート等がひとり1セットずつ準備されていました。開始時間まで【にぽにか】を読んで過ごします。
まずは在ダバオ日本国総領事館・石川義久総領事のご挨拶から始まりました。石川総領事のお話によると、多くのフィリピン人がアニメから日本に興味を持ち、日本語の勉強を始めるそうです。そこで今回のアニメ-ターワークショップの企画が持ち上がったとの事でした。今回のワークショップは80人程の参加者でしたが、希望者が殺到し人数制限があったそうです。
次に東社長による日本アニメーション産業についての講演です。まずはじめに、アニメ制作の工程についてお話しされました。
アニメを制作するにあたって大きく3つの工程があります。1つ目の工程(プリプロダクション)は作品テーマ・設定・脚本の作業。2つ目の工程(メインプロダクション)はレイアウト・原画・動画・背景・彩色の作業。3つ目の工程(ポストプロダクション)は撮影(合成)・編集・音響の作業です。
東映アニメーションフィリピンでは2つ目の工程(メインプロダクション)のレイアウトから彩色の作業を行っているそうです。
直近、東映アニメーションフィリピンで制作している主なテレビアニメ作品が紹介されました。【ONE PIECE】【ドラゴンボールDAIMA】【わんだふるぷりきゅあ!】【おしりたんてい】【逃走中グレートミッション】の5つです。各アニメ毎週1エピソードが制作されていて、1エピソードにつき4,000~10,000シートの作画が必要だそうです。ということは1週間で少なくとも20,000シートが必要になってきます。そのうちフィリピンでは70%~80%も制作されているそうです!
日本と西洋のアニメ制作の違いです。日本のアニメ声優さんはアニメを見ながら全員一緒に録音していきますが、海外では逆で音声をひとりひとり個別に録音しそのあとにアニメが音声に合わせるんだそうです。
もうひとつの違いは、日本のアニメは西洋のものよりも大きな目・複雑なヘアスタイル・細かい部分までこだわった衣装で影やハイライトを使ってリアルな質感を出している事が特徴的です。
以前アポロさんが制作されたアニメが放送されました。アポロさんは【美少女戦士セーラームーンCrystal】【ドラゴンボール超】のアニメーターを担当されていた方です。 アポロさんが10年前に制作されたアニメ【THE HERO WITH A COST】を上映してくださいました。
次にアポロさんによる作画セッションです。
まずはキャラクターの描き方です。頭の位置、足の位置の目安をつけて、そこから作画を始めます。前方・横・後方の絵を描いていきます。
皆さんとても真剣に描かれていて会場が静まります!
早めに出来上がり、新たに別のイラストを描いている方もいました。私が見た皆さんのイラストすべてが上手でびっくりしました。私も作画にチャレンジしましたが、ここに載せられるほどのレベルでは無いので隠しておきます。笑
さらにキャラクターの表情の描き分け方も教わりました。笑顔・怒った顔・悲しい顔などを描いていきます。
アニメーションの動かし方についての説明です。パラパラ漫画の原理で1枚づつの絵を重ねてアニメーションにするそうです。
作画セッションが終わり、質問タイム。参加者からの質問に対してアポロさんは、アーティストになるにはとにかく絵を描き、何回も練習をすることが大切だとおっしゃっていました。
ワークショップに来られている方にインタビューしてきました!!(この絵、上手すぎませんか?!)
「将来は日本のアニメーション業界で働きたいので、大学ではモダンメディアアートを勉強しています。日本語の勉強もしています。ひらがなとカタカナはコロナ禍中にアニメを見て勉強しました。日本語は難しいですがアニメを見ていると楽しく勉強できます。初めて日本のアニメを見たのは暗殺教室でした。ジブリが好きで特にラピュタが好きです。アニメでは青色は悲しい黄色は楽しいといった、色によって感情が表現できる事が面白いと感じています」
日本語で会話するのはこれが初めてなのでインタビューしてもらえて嬉しいです。と言っていただけたのですが、本当に初めて日本語で会話するの!?と思うほど流暢に日本語を話していました。まさに好きこそものの上手なれ!好きなアニメを見るために日本語を勉強してここまで上達していて、改めてアニメのすごさを感じました。
「将来はアニメーターになりたいです。アニメーターとしてなら日本でもフィリピンでも、どちらで働いてもいいと思っています。今回このイベントに参加したのは、どのようにしてイラストを動かしてアニメにするのか知りたかったからです。そして私の書いたイラストを動かしてみたいと思ったからです。初めて見たアニメはドラゴンボールで、それを見てアニメが好きになりました。今はらんま½が好きです。またこのようなワークショップがあれば参加したいです。」
インタビューをさせていただいた方から、お礼に私の似顔絵を頂きました!とても嬉しく皆さんに見てもらいたいので載せます(*^_^*)
まとめ
このワークショップに参加させて頂き、日本のアニメから日本に興味を持ってくれているフィリピンの若い方がとても多いことに驚きました。アポロさんもこんなにも大勢の若者にワークショップを通して刺激を与えることが出来て嬉しいとおっしゃっていましたし、私もダバオのアニメに興味のある若者にとっては未来が変わるかもしれない素敵な機会だったと思います。
ダバオのショッピングモールでもコスプレイベントが頻繁に行われていたりアニメキャラクターのキーホルダーをつけている若者をよく見かけたりして日本のアニメの人気を実感します。おそらく今回の参加者達はこのワークショップでもっとアニメが好きになっただろうし、アニメ業界への就職を目指す方は増えるだろうと感じました。
最後に 今回で私が担当する記事は最後になります。頻度も少なく参考になるか分からない未熟な記事だったかとは思いますが、読んでいただきありがとうございました。ダバオの楽しいところや素敵なところを皆さんに共有出来たなら嬉しいです。貴重な機会を頂いたダバオッチの皆様、支えてくれた前任者のリンちゃんありがとうございました。
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