2024年6月15日(木)、保健省ダバオ市事務(以下CHO)の責任者であるトーマス・ミゲル・アバボン医師が、レプトスピラ症患者数は昨年同期と比較して62.8%増加し、43例から70例に増加したと述べた。報告された70例のうち、62.9パーセント(44例)は洪水にさらされたことが原因であるとされる。
流行地 レプトスピラ症はレプトスピラ菌による急性熱性疾患です。全世界で発生しており、とくに熱帯・亜熱帯地域に多くみられます。近年、ブラジル、ニカラグアなどの中南米、フィリピン、タイなどの東南アジアなどで流行がみられています。わが国でも、1970 年代前半までは年間50 名以上の死亡例が報告されていましたが、衛生環境の向上などにより患者数(死亡者数)は著しく減少しました。しかし、現在でも沖縄などで散発的な発生が認められています。感染経路 レプトスピラ菌は保菌しているネズミ、イヌ、家畜などの哺乳動物の尿から排泄され、土壌や水を数週間にわたり汚染します。このため、土壌、水、保菌動物と接触した際に、皮膚や粘膜から体内に菌が侵入することで感染します。大雨や洪水のあとは、汚染水がうっ滞したり、ネズミと接近する機会が増えるなどにより、感染の危険性が高くなるため注意が必要です。まれですが、尿などを介したヒトからヒトへの感染の報告もあります。(厚生労働省関西空港検疫所,レプトスピラ症(ワイル病)疾患別解説, https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/disease/dis09_06lep.html, 参照 2024.06.18)
報告された症例のほとんど(全体で53人)は、20歳から24歳、40歳から44歳の年齢層に属するという。CHOの市疫学・サーベイランスユニットは、38のバランガイが影響を受けたと報告した。
また、バランガイブカナが10人と最も多く、次いでブハギンが6人、マアが5人、ダリアオが3人、残りのバランガイはそれぞれ1~2人であった。 アバボン医師は、レプトスピラ症患者の急増は、今年の最初の3ヶ月間、特に1月から3月にかけての激しい降雨が原因であるとしている。
州気象局が2024年5月29日にフィリピンに雨季が到来すると発表して以来、アバボン医師は、洪水を横断しなければならない状況下にあった人々に、レプトスピラ症予防のために最寄りの保健所を訪れるよう呼びかけている。雨季はレプトスピラ症による死亡率が高いため、ダバウェンヨは用心深くあるべきである。
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