ダバオデルノルテ州タラインゴッド町サントニーニョのプロック6Aにあるタタグ先住民族学生観光センターに、アタ・マノボ族の青少年30人が入所した。
タタグ先住民族学生財団(TIPSF)の下、同観光センターは12名の大学生と18名の高校生の教育を支援している。この支援には、日当と寮費が含まれる。この奨学金を受け取る学生の大半は、以前ダバオ市のフィリピン合同キリスト教会(以下UCCP)ハランセンターに避難していた先住民族グループに所属している。
2015年以来、ダバオ市セルガ通りにあるUCCP内のハランセンターは、ダバオ地方の様々な州やミンダナオ島の他の地域から来た先住民族の一時的な避難所となっている。また、セブ市やフィリピン大学ディリマン校から革新派のグループによって連れてこられたとされる学生もいる。
TIPSFは声明の中で、タタグの先住民族の学生であるミシャン・ドギョンさんについて言及し、彼女のコミュニティでは誰も教育を終えておらず、大学に行けるのは彼女だけだと述べた。
「私がこの奨学金をもらう前、私たちの生活は大変厳しいものだった。勉強はしていたけれど、大学を卒業できるとは思っていなかった。読み書きができるのは私しかいなかった。だから今は彼らのロールモデルとなるよう、卒業に向けて努力している。現在私たちは財団の支援を受けていて、可能性が広がったし、私たちに必要なもの全てをもらっている。ノートパソコンのような、私たちが知らなかったものが提供されている」とドギョンさんは語った。
このプロジェクトは、TIPSF、第10歩兵師団傘下の第56歩兵大隊、フィリピン空軍第7航空予備センターの協力により実現した。第10歩兵師団のマーク・アンソニー・ティト大尉は、「第10歩兵師団は、ハランセンターで学んでいるフィリピン人学生を支援するための財団に協力している」と述べた。また、同師団の司令官ホセ・エリエル・M・ニエンブラ少将は声明の中で、同師団が財団と先住民族学生たちの夢の実現を支援することを誓った。
少数民族は奥まった地域に居住していたり、政治的な圧力を受けたりしていることから教育についての課題が議論されている。各地で文化継承に向けた支援やギフトの支給などが行われているが、教育も1つの大きな重要な論点だ。少数民族の教育への道が継続的に確保されるよう、今後の動きにも期待したい。