6月28日、ASEANは、ミンダナオ島北部のラナオデルノルテ州のイナヤワン山地自然公園(Mt. Inayawan Range Natural Park)をASEAN遺産公園として宣言した。これはASEAN10カ国全体では53番目、フィリピン国内では11番目の登録である。
この正式な宣言は、28日に同州ヌヌンガン町のパンタル湖で開催された「Araw ng Lanao del Norte(ラナオデルノルテの日)」の式典と同時に行われた。宣言は、2003年12月18日にミャンマーのヤンゴンで行われた遺産公園に関するASEAN宣言に従ってなされた。また、この宣言の承認は、昨年の第16回ASEAN環境大臣会合(AMME)において、リム・ジョクホイASEAN事務総長と、議長のインドネシアのシティ・ヌルバヤ・バカール環境林業相が署名し、「暫定的に」行われていた。
アーレイ・アドラブル環境事務次官舗は、イナヤワン山地自然公園は、ラナオデルノルテに残る最大の原生林あると述べた。「この公園は、ASEANでは53番目、フィリピンでは11番目、そしてこの第11地方(北ミンダナオ地方)では4番目のASEAN遺産公園だ。近隣諸国と比較して、国内のASEAN遺産公園の数は最多」とのことだ。「イナヤワン山地自然公園は、フィリピン人が心から誇れる宝物で、ダナオデルノルテの人々に名誉と誇りをもたらすものだ」としている。
イナヤワン山地公園は標高1,536メートルで、マレイグ湖、パンタル湖、ソンゴッド湖という3つの主要な湖を擁している。この公園は、同州内のヌヌンガン、サパド、カパタガン、ララの各町の人々の生活を支えている。少なくとも1,000世帯が、灌漑、工業用水、生活用水、食料をこの公園の資源で賄っている。生物多様性の観点で重要視される地域であるばかりでなく、民族生物学的にも重要な位置付けをされている。
ラナオデルノルテ州のイメルダ・キブランサ=ディマポロ知事は、母なる地球を守るための継続的な協力を呼びかけ、地域社会との対話と保護活動への積極的な参加を誓った。「私たちは、環境破壊と気候変動がもたらす壊滅的な結果を目の当たりにしてきた。今日の行動が次の世代を形作ることを理解しなければならない」と知事は語った。
ASEAN遺産公園には、ダバオのアポ山自然公園やハミギタン山地野生生物保護区も指定されている。フィリピン国内でも特にミンダナオ島周辺に集中しており、この島の自然の豊かさが窺える。今後の実際の保護活動についても注目を続けたい。