今年の下期に高確率で起こる降水量の減少から、食糧生産などへの影響が懸念されているエルニーニョ現象。ダバオ市の各部署は、今年7月以降のエルニーニョ現象の影響を緩和するための準備計画を策定した。
具体的には、市農業事務所(以下Cagro)、市獣医師事務所(以下CVO)、社会福祉開発省ダバオ市事務所(以下CSWDO)、保健省ダバオ市事務所(以下CHO)、市エンジニア事務所、環境天然資源省ダバオ市事務所、バランガイ(最小行政区)コミュニティ事務所が、この軽減策に主に関与している。国家災害リスク軽減管理評議会ダバオ市事務所(以下CDRRMO)のAlfredo Baloran所長は5月22日、各事務所が協議した災害前リスク評価に従って、さまざまな対応策に優先順位をつけると明かした。
CagroとCVOは主に食糧安全保障に重きを置いており、Cagroは干ばつ時に農作物の灌漑を確保するために水源と集水域を作ることを担当し、CVOは食肉用の家畜の保護に携わる。Baloran氏は取材に対し、「水源とその他の準備で十分であることを望んでいるが、雨が降っている間に植物を植えることも勧めている」と語った。CSWDOは農民やその家族に支援を提供し、CHOは熱に関する病気や疾患を監視する予定だ。
Baloran氏は、行動計画の一部として、ダバオ市全体の監視と他の政府機関との調整、フィリピン大気地球物理天文局(以下Pagasa)と連携した定期的な最新情報の提供、クイックレスポンス基金の災害資金の利用可能性に関する、バランガイへの技術支援を行うと付け加えた。
ダバオ市は現在、日中は蒸し暑く、夕方には局地的な雷雨・大雨に見舞われている。Pagasaによると、エルニーニョ現象が今年の6月から7月ごろに始まり、来年の3月頃まで続く可能性が80%あるとのことだ。
以前から危険視されていたエルニーニョ現象の発生まで、残り約1ヶ月となった。前回のエルニーニョ現象では灌漑設備の必要性が見直された。今回はそれを踏まえ、農産物の物価上昇をどこまで抑えられるかという戦いになりそうだ。