5月1日から5日までスイスのジュネーブで開催された、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約第11回締約国会議において、プラスチックや農薬に含まれる毒性の高い化学物質を禁止することが決定され、環境団体が賞賛を送った。
マニラ首都圏のケソン市のEcoWaste Coalitionと、ダバオ市のInterfacing Development Interventions for Sustainability(以下IDIS)が発表した声明では、世界約120カ国がUV-328やデクラロン・プラス(以下DP)、メトキシクロルを世界的に禁止する対象の高毒性化学物質に追加することに合意したという。
フィリピンはこのストックホルム条約を2004年に批准し、署名国となっている。
様々な環境団体が参加した世界的な調査では、フィリピンを含む35カ国の海岸でUV-328の痕跡が見つかっている。
EcoWaste CoalitionのナショナルコーディネーターであるAileen Lucero氏は、これらの汚染物質の排除に向けた国の努力に情報を与え、導くために、DPとUV-328に関する国家目録を作成する必要があると、8日に語った。
Lucero氏は、プラスチック添加剤であるDPとUV-328は、特に先進国で生産量の多い化学物質とされているが、フィリピンでこれらがどれだけ製造・輸入・使用されているかはまだ判明していないと付け加えた。メトキシクロルに関しては、ほとんどの国で禁止または段階的に廃止されているが、フィリピンではまだ規制されていないという。
これらの環境団体は、関連する調査で、UV-328が「子供のおもちゃやヘアアクセサリーから見つかり、その毒性と内分泌撹乱作用のために特に憂慮すべきだ」としている。
一方で彼らは今回の決定に対し、懸念も示している。今回の会議では、UV-328とDPの使用禁止に対して一定の適用除外が認められており、「何十年にもわたって健康や環境に害を及ぼす可能性がある」とのことだ。
これらの化学物質の禁止を決定することは、経済を無害に循環するように組み替え、地球全体の環境と正義を守るために不可欠である、とLucero氏は語った。「我々は、これらの非常に危険な化学物質から人間の健康と環境を守るというストックホルム条約の約束を守り、DP、UV-328、メトキシクロルを排除することに合意したCOP11を称賛する」という。
おもちゃやアクセサリー、時には化粧品や日用品の包装といった身近なものに潜む有害な化学物質は、法規制によって適切な処理の目処が立てられる。これまで野放しになっていたこれらの化学物質が人々の健康に害をなさないよう、決定に従った速やかな法整備が求められている。