2023年3月29日にサンボアンガ半島の先にあるバシラン島沖で発生したフェリーの火災事故。この火災で生き残った23人の兵士が、スールー州ホロ、ブスブスのCamp Teodulfo Bautistaで組織内カウンセリングを受けたと、軍が伝えた。
第11歩兵師団「アラクダン」の司令官であるIgnatius Patrimonio少将は、3月末日に海軍西ミンダナオ部隊が行った捜索・救助活動の結果、兵士や警察官がこの事件から生還し、他の乗客の救助に協力したことが判明したと語った。
地域統合カウンセリングオフィス(以下DICO)の司令官であるPedro Michael Mijares少佐によると、DICOは不運な事故の生存者に認知行動療法を用いてカウンセリングを行ったという。事件から数日後の4月3日にカウンセリングを開始し、カウンセリングのセッションは13日まで続いたとのことだ。
このカウンセリングを要請した第41歩兵大隊のMichael Colanta中佐は、「DICOのチームは、その使命に沿って、特に23人の兵士に関わる任務が順調に遂行されるよう、特別な努力をした」と、DICOの対応を称賛した。
Mijares少佐は、兵士らはその後、「完全な任務遂行状態」でそれぞれの部隊へ戻ったと語った。さらに、以前は中隊に配属されていた兵士は、環境を変えるために大隊へ異動となったという。「早期の介入がなされたとはいえ、彼らのメンタルヘルスが危険にさらされることがないよう、オフィスは継続的に努力を重ねている」とのことだ。
今回の火災事故は多くの死傷者を出す痛ましいものだった。生き残った船員、乗客も、兵士らと同様に心に傷を負っているのは想像に難くない。乗客がそれぞれ適切な処置を受け、日常生活に戻れるようになることを祈っている。