1年を通して気温・湿度の高い気候や、世界遺産のコルディリェーラの棚田群など、自然を最大限活かした農産業を得意とするフィリピンに今、機械化の波が押し寄せている。
ダバオ地方の米生産の改善は機械化に起因すると、農業省ダバオ地方局長のアベル・モンテアグド氏(Abel Monteagudo)は2022年7月1日金曜日に述べた。
オンライン記者会見でモンテアグド氏は、技術、特に機械化によって稲作産業の効率が向上し、その結果、生産量が増加したことを明らかにした。
ここでいう機械化とは、作物の植え付けから収穫、そして出荷までの作業を支援するために、さまざまな種類の機器を使用することを指す。
「機械化によって農家はより速く、効率的に、そして簡単に作業できますし、コストも純粋な労働より安く済みます」と続けた。
2020年には50%だった米の自給率は、2021年には54%に達した。成長率はそこまで高くないものの、米の生産が増加していることは良い兆候だと、モンテアグド氏は語った。前ダバオ地域開発評議会(RDC-Davao)議長のジェイビー・ウイ知事(Jayvee Uy)の報告によると、54パーセントの割合というのは、米の量でいうと484,725トンに相当するとのこと。
地域局長によると、ダバオ地方の田んぼは58,840ヘクタールの面積を占めており、一部の農民は農業の機械化を始めているが、多くは依然として伝統的な農法に依存している。
海外ではまだ、日本に対するお米文化のイメージは根強いが、実際のところは需要が低迷しており、今では生産量・消費量ともにフィリピンが日本を大きく上回っている。その一方でお米は、値上げラッシュの影響を受けずにいる数少ない食品でもある。米離れが進む日本。家計の事情であれ、日本人がお米を食べるその光景は喜ばしく思う。