2022年1月10日(月)、ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長はフィリピン国内で新型コロナウィルス感染者が爆発的に増加する中、オミクロン株を市内に拡大させないために新型コロナウィルスタスクフォースが勧告していたダバオ国際空港到着時のPCR検査の陰性証明書提出義務の再導入について、その勧告を拒否した。
サラ・ドゥテルテ市長は、地元のラジオ番組に出演した際、昨年11月までインバウンドの乗客に対してダバオ国際空港でPCR検査の陰性証明書提出を義務化してきたが、市内の新型コロナウィルス感染拡大を防ぐことは出来なかったと述べ、再導入しても期待される効果はあまり得ることができないだろうとコメントしている。
サラ市長は、特にワクチン接種が開始される前であれば理解できるが、ワクチンを接種する人が確実に増えている中で、PCR検査の陰性証明書提出を再度導入しても、インバウンドの乗客に経済的な負担を強いるだけになるかもしれない。また、再導入が人流を鈍らせダバオ市内の経済にも悪影響を及ぼしかねないと、再導入で得られるコロナ感染防止効果よりもようやく復活してきた市内経済活動を優先させたい姿勢を見せている。
ダバオ市内のワクチン接種状況をみると、昨年12月31日時点で1回目のワクチン接種を終えた人が約123万人、2回のワクチン接種を終えた人は約113万人で、3回目のブースターショットを受けた人は28,155人と報告されており、最初のワクチン接種目標であった120万人(現在は上方修正して180万人)はほぼ達成している。
サラ市長は、ダバオ市がダバオ国際空港到着時のPCR検査陰性証明書提出義務化を停止した昨年11月16日以降、市内の新型コロナウィルス感染者は落ち着いており、今は再導入を検討する時ではないと改めて否定的な意見を述べている。