11月9日(火)、ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長は、6日(土)ダバオデオロ州マビニ地区で起きた麻薬ビーチパーティ事件に関連して、このパーティに参加していたとされるサラ・ドゥテルテ市長の側近でもある、ダバオ市情報局(CIO)の局長ジェフリー・トゥパス氏を解雇したと述べた。麻薬ビーチパーティの詳細についてはフィリピン麻薬取締局(PEDA)が捜査中であるとしてコメントを控えた。
事件は、11月6日(土)夜に発生、ダバオデオロ州マビニ地区のビーチでパーティーをしていた17名が違法薬物使用の疑いでフィリピン麻薬取締局の取り締まりを受け逮捕されたことに端を発する。このパーティには少なくとも50名が参加しており、その参加者の中には解雇されたトゥパス氏の他、サラ・ドゥテルテ市長の側近が複数名参加していたが、彼らはフィリピン麻薬取締局に逮捕されることなく当局によって見逃されたという疑いがかかっている。
ジャーナリストのカドゥーヤ氏はこの事件に関して、公的機関の捜査であるにも関わらず、捜査中にトゥパス氏他、ダバオ市高官らを現場から離れることを許可したのは当局の対応として著しく不公平かつ不適切あり、フィリピン国家調査局(NBI)に詳細を明らかにするよう申し立てをしたと述べている。また、同氏の取材ではフィリピン麻薬取締局が取り締まりをしている際に、トゥパス氏は「私はサラ・ドゥテルテ市長のスタッフだ。これはいったいどうゆうことなのか?」と捜査官に圧力をかける態度を取っていたことがわかっている。
地元紙の報道では、パーティに参加していたものはダバオ市高官のみならず、ダバオのセレブリティも多く含まれていたとされている。逮捕された容疑者らからは、まさかフィリピン麻薬取締局がダバオ市高官らを目の前で見逃すのとは思わなかった、不公平だと声を上げているが、こうした声に対し、フィリピン麻薬取締局ダバオ支部の所長は、我々は国民を公平に扱う、特別な扱いをすることはないとコメントしている。フィリピン麻薬取締局は今回の取り締まりに関して、大麻や覚せい剤など150万ペソ相当の違法薬物を押収している。