2021年12月21日(火)、フィリピン国家警察(PNP)はフィリピン中部ビサヤ諸島を襲った台風22号(フィリピン名:オデット)の被災状況について、ビサヤ諸島とミンダナオ島で少なくとも375名の死亡を確認したと報告した。また被災した住人は40万人以上にのぼり、行方不明者も未だに50名以上とされているため、さらに被害が悪化すると見られている。
フィリピン国家警察の報道官によると、死亡者が最も多い地域はセブ、ボホール、シキホール、東ネグロス等の中央ビサヤ諸島で、12月20日(月)午後6時時点で170名の死亡が確認されている。次にスリガオ、ブトゥアン等のミンダナオ島北部カラガ地方で167名、パナイ島、西ネグロスなどの西ビサヤ諸島で24名、カガヤンデオロ等のミンダナオ島北部で7名、レイテ島やサマール島などの東ビサヤ諸島で6名の死亡も確認された。
また、同報道官によれば、500名以上が負傷しており、行方不明者も少なくとも56名いるとされているが、被災した地域では電気・水道、インターネットなどのインフラが復旧していない所も多くあり、さらに被害状況が悪化すると見られている。ダバオ市は特に大きな被害を受けたボホール州に市の災害救助員106名を派遣し、ボホール州及びセブ州の住民に対してお米、水、缶詰等の救援物資を届けている。
一方、フィリピン大気地球物理天文局(Pagasa)は台風22号(フィリピン名:オデット)の被害が最も大きかったミンダナオ島、特に北部のスリガオ州及びビサヤ諸島で再び暴風雨、あるいは台風が発生する可能性について言及し、注意喚起している。同局によれば、フィリピン東の海上で低気圧の発生が確認されており、可能性は低いものの40%の確率で台風に発展する可能性があるため、今後の動きを注視していく必要があるとしている。