2021年12月22日(水)、ダバオ市は市が運用している新型コロナウィルス追跡システム「DQR」に台風22号(フィリピン名:オデット)で被災した人々に食料品支援をすることができるよう寄付機能を追加すると発表した。現在「DQR」開発した地元のソフトウェア会社が追加機能を実装するための作業を行っているところであり、出来るだけ早い時期にリリースしたいとしている。
ダバオ市人事局の責任者は、地元のラジオ番組に出演し、新型コロナウィルス追跡システム「DQR」の新機能は開発チームによって実装するための最良の方法が検討されている段階で、新機能が追加され次第、ダバオ市は公式に発表する予定であるとコメントした。
新型コロナウィルス追跡システム「DQR」は、今回発表された新機能の「寄付」とは別に、市民に対してクリスマスプレゼントを支給するための機能が備わっている。ダバオ市は既に100万個の食料品パックを準備しており、12月8日の開始から現在まで36,000パックが市民に届けられた。食料品の中身はお米、スパゲッティ、缶製品等となっている。
ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長は、「DQR」を利用して市民にクリスマスギフトを届ける仕組みについて、既に市民は1年以上も「DQR」を継続して使用していることもあり、使い方も理解している。ゆえに誰もがこの機能を使用して食料品パックを受け取ってもらえることを期待したいとコメントした。「DQR」は2020年11月に運用が開始され、新型コロナウィルス追跡のみならず、ショッピングモールや店舗の入退店時にも利用されている。
運用開始当初はシステム上の欠陥で「DQR」を使用している特定の個人行動履歴が誰でもアクセス出来てしまうなど、プライバシーの問題もあったため、ダバオ市は技術的な問題が解決した今年2月に「DQR」の所持を義務化して現在に至っている。