【News】女性や子どもへの暴力の実態が明らかに、2021年は「経済的暴力」の報告が最も多くなる

ダバオ

11月25日~12月12日にかけて、フィリピン全土で「女性への暴力撲滅運動」がおこなわれた。性別を理由とした暴力に歯止めをかけることを目的としておこなわれた同イベントには、政府や地方自治体などが参加した。そして、12月10日金曜日、ダバオ地方における女性や子どもへの暴力の実態が公表されたのだった。

ダバオ市役所のジェンダーと開発を管轄する部署のLorna Mandid部長は、2021年1~9月に724件の女性や子どもへの暴力が確認されたと明らかにした。また、そのうち177件は、2021年1~6月に警察にも届け出がなされた。

このデータによると、経済的暴力がもっとも多く、報告があった901件のうち501件がこれに該当する。経済的暴力とは、相手を経済的に困らせる行為のことをいい、例えば、給料を相手に手渡さないといったことが挙げられる。その次に来るのが精神的・心理的暴力で134件、これに続いて身体的暴力が108件、性的暴力が9件となっている。また、ダバオ市役所の同部署に入った報告によると、最も多かったのは身体的暴力で106件、精神的・心理的暴力が42件、性的暴力が1件という内容だったという。

Mandid部長は、2021年の報告件数は2020年の1,193件と比べれば減少したが、報告されていないケースもあるかもしれないと述べた。そして、「不安や不安定がつきまとう状況がかなり普遍的になっているので、家庭内暴力や性別による暴力は増えていると思います」と語った。

また、同部署では、今後も政府機関と協力し、庁舎に行く以外にも他の方法で女性への暴力対応のサービスを受けられるようにしていくと述べた。

このようなサービスがなくとも、性別によって悲しい思いをしなくてもよい世の中になっていくことを切に願いたい。

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