9月18日のことだった。フィリピンでも有名な女性画家「Bree Jonson」氏は、大物実業家の息子と一緒にいたホテルのバスルームで亡くなった。その真相は謎に包まれたままだったが、その後の裁判で、一緒にいた男性から薬物反応が出たことが明らかになった。この事件をきっかけに、ダバオ市議会では「女性への暴力」についてスピーチがおこなわれた。
11月23日火曜日、ダバオ市議会議員のPamela Librado-Morata氏は、ダバオ市議会の定例会でJonson氏の死について触れた。そして、Jonson氏のケースは「女性を嫌い、女性の権利の侵害すること」によって長く続いている女性の権利侵害の一例だと考えていると述べた。そして、「Filipino Marespeto; Safe Spaces, Kasali Tayo」という国中でおこなわれているキャンペーンはダバオ市も含まれており、インターネットや職場、教育機関といったいかなる場所でのセクシャルハラスメントは罰せられるという法律を強く知ってもらうためのものだと述べた。
これに続けて、「多くのフィリピン人女性は日ごろから暴力を受けていて、最悪、守るべきはずの男性の手によって死んでしまうことだってあります」と語り、女性がいかに不利で悲しい目に合っているかを伝えた。また、フィリピンでは違法とされている薬物の売買や売春も蔓延しているとも指摘すると、「ダバオ市だけでも4,000ほどの売春が存在すると予測されており、その約40%は18歳以下」という事実も述べた。
Librado-Morata議員は、ダバオ市での女性への暴力の現状が、もっとこの活動に参加してもらおうとすることにつながったと述べ、フィリピンにもダバオ市にも法律は存在しているのに、女性は依然として権利侵害と不平等の被害者となっていると述べた。
同議員の話は、フィリピンやダバオ市の悲しい現状を強く訴えることとなった。11月25日木曜日から、フィリピン全国で「女性への暴力を禁止する」ためのキャンペーンが開始された。18日間にわたるキャンペーンをとおして、一人でも多くの人がこの現実を直視し、あらためるために行動に移していければと願ってやまない。