2021年10月28日(木)、ダバオ市民への新型コロナウィルスワクチン接種が順調に進む中、市内の一部のバランガイ(行政の最小単位)で新型コロナウィルスワクチンを接種していない未接種居住者に対し、バランガイへの出入りを禁止する「No entry, No exit」方針を打ち出すところが出てきている。
そのひとつであるラサン地区のバランガイでは、バランガイ評議会において導入する「No entry, No exit」方針の内容を議論しており、11月15日を目途にバランガイで施行するとしている。バランガイキャプテンは、地元紙のインタビューに対し、現在関係する各セクター及びバランガイの保健チームと協議を進めているところだと述べている。
同バランガイキャプテンによると、「No entry, No exit」の目的はバランガイの住民がワクチンを積極的に、かつ完全に接種することであり、同バランガイに居住する6500名が対象となるという。そのうち既に4,500名は少なくとも一回ワクチン接種を終えているが、全ての住民の健康を守るためにもまだ接種していない住民になるべく早く接種を促したいとコメントした。
目標としている接種率については、理想は全ての住民で少なくともバランガイ住民の80%で集団免疫を獲得することが出来ればとしているが、この「No entry, No exit」方針についてはバランガイに居住していない市民からの批判も多い。そうした声に対して同氏はバランガイキャプテンは現場の状況に応じて独自の政策を実施する権限が与えられているとし、バランガイ評議会と住民の同意を得ることができれば、実行していくという強い意志を示している。
ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長はバランガイの決定と方針について、バランガイの首長は管理地区内の新型コロナウィルス感染拡大に対処するため、独自の対処方針を制定する権限が与えられているとして、バランガイの決定を支持するとコメントした。しかしながら、内務自治省(DILG)ダバオ地方事務所は、未接種の住民に対してワクチンを接種を奨励するための他の手段もバランガイに考えて欲しいとしている。