9月13日、フィリピンの学校でも新年度が始まった。ダバオ地方では120万人ほどの児童生徒が履修登録を済ませているという。新型コロナウイルス(Covid-19)の影響でまだ対面授業の再開には至っていないが、オンライン授業などで子どもたちの学びが続いている状況だ。
教育省ダバオ支部のJenielito Atillo報道官は、合計117万6,606名の児童生徒が公立および私立の学校に履修登録を済ませていることが予想されると語った。この数は昨年度(128万9,331名)には及ばないものの、Atillo報道官は多くの保護者が子どもたちの履修登録をおこなったことは「とてもいいデータ」だと述べ、「去年学校が始まった時には履修登録をした人の数は少なかったです。しかし、時間が経つにつれて登録者は増えていきました。今年度については登録状況が上向いていることを確認しています。去年のデータを超えることができると信じています」と語った。対面授業はおこなえないものの、それでも学びを止めない多くの人がいることは非常に心強い。
それでは、対面授業に向けた動きはどうだろうか?これについてAtillo報道官は、ダバオ地方ではすでに準備に入っており、対面授業が徐々に再開されることに向けて準備はできていると思っているとコメントした。しかしながら、政府からのゴーサインが出なければどうにもならないのが現状のようだ。
また、対面授業は教育省が設けた制限に基づいて選ばれ、地方自治体や保護者からの承認も必要だと述べた。さらに、学校のある地域はCovid-19のリスクが低いか感染者が確認されていないことも求められ、陽性者やインフルエンザに似た症状が出たときに当事者を隔離するための場所も準備しなければならない。これだけ多くの条件を満たさないと、対面授業の再開は難しくなっている。Atillo報道官も、「現在はまだ、これについて後押ししていない」とコメントをしている。
しかし、教育省は、新年度のスタートに際し、この1年で多くの準備をしてきたとも語っている。プリントなどの教具を配布する、オンライン授業をおこなうなど、どの学校もそれぞれに創意工夫してこの1年の学校活動を継続してきた。
対面授業が再開されるまで、児童生徒だけでなく教員、そして保護者も、今できることを精一杯頑張っている。
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