【News】ダバオ地方も学校再開、教師や子どもたちの様子は?

10月6日、ダバオ地方でも学校が再開し、100万人以上の幼稚園から高校生までの子どもたちの新年度がようやくスタートした。その初日はどうだったのだろうか?教師や子どもたち、その保護者たちの様子を見ていきたいと思う。

高校教師のクリスティ・ジョイ・キャバハグ氏は、オンライン授業を行なった。初日の授業は順調にいったという。ただし、インターネットの接続問題をとても危惧していたそうだ。フィリピンのインターネットは接続環境がよいとは言えず、突然接続が切れてしまうこともある。そこで、キャバハグ氏は授業中に授業を離脱せざるを得ない生徒のために、バックアップを取っているという。その日の授業内容やパワーポイントのスライドは、すべてGoogleクラスルームや、自身で生徒のために作ったYouTubeに保存しているそうだ。

一方、インターネット環境が整備できないために、プリントなどの教具を使って学習を進める学校もある。別の高校で教師を勤めるキアン・マエ・バランサグ氏は、地理的に離れた場所に住んでいる生徒がいるため、プリント等を使用した学習をすることにしたという。教具は月曜日に配布が始まっており、保護者はそれぞれ、子どもが使う教具を取りに来ることになっている。この学習形式では保護者が学習を見ることになるが、保護者も習っていない内容が出てくることもある。そのため、バランサグ氏は携帯電話を常にもっており、生徒や保護者から質問があれば答えるような体制を取っているという。

それでは、子どもたちや保護者はどうだろうか?7歳の男の子の母親であるレア・ゴゾン氏は、忙しいスケジュールの中で、子どもがオンライン授業を受けるための準備をしていた。そして、授業が始まると画面越しでの授業になるため、隣に母親も同席してサポートしているとのことだった。これは内容理解のためだけでなく、7歳という年齢であるためパソコンの扱いに慣れていないことが原因だという。

それぞれの様子を見ると、やはりニューノーマルの学びが始まったばかりであるため、慣れるまでは全員が苦労をするかもしれないことがうかがえる。また、子どもが慣れていないと周りもサポートしていかなければならない。しかし、キャバハグ氏のようにバックアップを取っておいてくれると、生徒もわからなくなった時にすぐに調べることができる利点がある。また、幼い頃からパソコンの扱いになれることは、世界的に情報化が加速していることに対応できる利点もあるように思う。ニューノーマルでの学びは挑戦の連続だが、新しい学びの形や、より効率的な学習を生み出す期待もあるように思う。約7ヶ月の空白を埋めるためにも、ニューノーマルの形で学びを提供し続けてほしいと思う。