【News】ダバオ市のPCRテスト、拡充にともなって新たな課題も発見される

ピープルズパーク

新型コロナウイルス(Covid-19)の感染対策として、PCRテストの拡充をダバオ市はおこなっているところだ。そして、新規感染者数の増加とともに、テストを受ける人の数も増えてきており、そのニーズに追いつけていない状況も見られるようだ。

現在、ダバオ市内でPCRテストを受けることができる場所は、クロコダイルパークとSta.Ana Health Centerのふたつだ。そして、Covid-19陽性者の二次感染者および三次感染者にはSafe Davao QRという感染対策アプリをとおしてテストを受けるように通知が行くようになっている。クロコダイルパークはソーシャルディスタンスの確保という観点からも安心してテストを受けることができ、日時を指定した予約も必要がないというメリットがある。しかし、課題も見えてきているようだ。

5月25日にPCRテストを受けた男性は、本来は23日にテストを受ける予定だった。しかし、歩いて会場に来た人は1日150名しかテストを受けられず、夜間外出禁止令が解かれる午前4時前から並ばないとテストが受けられなかったという。この男性は「午前1時には並んでいました。歩いてテストを受けに来る人は150名、ドライブスルーで受ける人は200名が限界だからです。限定された数のテストを受けるためだけに、クロコダイルパークに行く必要があったのです」と語った。この男性がPCRテストを受けることができたのは、午前9時半になってからだった。また、早くから並んでいた人は他にもいたが、テストを受けられなかったことは残念なことだとも述べた。さらに、長蛇の列がどのような状態かを把握したり、誘導したりするスタッフもいなかったと指摘している。

その一方で、ドライブスルーのPCRテストを受けた男性の状況はこのようなものだった。この男性は、午前4時にはクロコダイルパークに到着していたという。そして、「その時点で、私は30番目でした。しかし、歩いてきていた人の中には朝4時から並んでいたのに帰らざるを得なかった人たちもいました。それを見ていると、何か申し訳ないなと思いました」と語った。ドライブスルーの場合は少し遅くにきてもテストを受けることができた体験を踏まえ、この男性は、車を借りてPCRテストを受けに来たほうがよいと言及している。

市の保健所に勤めるNikita Marie Jamiana医師は、検査の担当者やテストの器具が限られていることが理由だと述べた。現状、1日に300名が限界だという。しかしながら、現在2チームある状態が3チームに改善されると、500名まで対応可能になるとも述べた。さらに、300名が限界の中、1日365件のテストが出来ていることや、これまでに2,000名以上のテストを実施してきた事実についても言及した。テストの希望者数に追いつけていないことは事実かもしれないが、それでもニーズに応えようと精一杯頑張っているのだ。

また、サラ・ドゥテルテ=カルピオ市長も、PCRテストをおこなうことが出来る人材を30名以上雇用しようとしているところだと明らかにしている。また、検査会場についてもPeople’s Parkや新しく整備されたRizal Parkに追加で新設し、各地区の保健所にも設ける計画であることも明らかになった。

陽性者を一人でも多く把握し、適切な対応を取ることこそが感染対策につながる。しかし、PCRテストをおこなえる人材不足が大きな課題となっているようだ。